内容説明
なぜか患者に憎悪を抱く病院の付添婦。対人恐怖症に陥りTVカメラでしか会話のできなくなった受験生。カウンセラーを悩ませる奇妙な患者の影。画家が山中深くで邂逅した老女形。そして、死直前の末期癌から、まるで別人のように復帰した部下社員…。彼らが映し出す真の恐怖とは?精神の微妙なズレから幻相世界まで、八人の実力派が紡ぐホラー体験。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
70
ホラーものです。著者を見ていただけれるとわかると思いますが、その方面の手練ればかりです。本当は半村良さんを入れていただければもうっと完全であったと感じます。人知の及ばない何者かが、という感じの作品が多く楽しめました。夏にはいいですね。2015/07/14
キムチ
31
車中の共に。あっという間に読め、そこそこのイヤミス。ホラー感はなかった・・現実の方が怖いし★とはいえ、日常、有るなぁーっていう場面が面白い。初読み作家さんもいるのでこういった類は出合いが嬉しい。乃南さん、加門さんが好み。菊池さんの標題の意味が分かったのも笑えるというか。2012/05/03
Yu。
24
余命幾ばくもなかった部下がいきなり復活したその理由とは‥菊地秀行『舌づけ』。ビデオ整理中に出て来た覚えのないテープの中身とは‥小林泰三『影の国』。第一志望校の試験日に縁のない浪人生によるサイコ劇 北川歩実『長い冬』。嫁姑問題を心理ホラーで味付けした 山崎洋子『のっとり』。“忘れ物”が巻き起こす黒いサスペンス 山田正紀『青い骨』。お節介な隣人がもたらす密告の裏側には‥ 加門七海『恋人』。叙情的な群像劇に魅せられる 赤江瀑『弄月記』。性根の腐った付添婦の復讐劇 乃南アサ『口封じ』。といった八篇のダークホラー。2017/06/11
5〇5
7
こんな人がいると、ヤバイ、キモイ、コワイ、ツライ、ウザイというようなホラー作品集です。フカイな読書をキタイしている人にお薦めです。2022/03/06
Spok
6
どれも面白かったが特に「長い冬」「のっとり」「恋人」がよかった。 2019/01/03