感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
モリータ
9
繰り返しになるが、ベトナム戦史や北ベトナム・中ソとの国際関係史ではない。あくまでベトナム戦争にかかるアメリカ中枢の意思決定がどのように行われたかが、ジョンソン大統領の時代を中心に描かれた書。本巻では「偉大な社会」の実現のために、大統領自身も懐疑を持ちつつも情報操作と妥協を重ねて戦争に深入りし、深刻なインフレと国内分裂を招いた結果、国内政策を実行する余裕がなくなったという皮肉な構図や、戦争の目的が明確にしないまま、軍部の度重なる兵力増強要求を抑えきれなかった文官側の苦悩が繰り返し述べられている。2017/08/02
tenorsox
2
最上級の英知を集約していたはずの米国政府がベトナム政策で泥沼に嵌り込んでいく過程を詳らかにしたドキュメンタリー。ケネディ、ジョンソンの両大統領を含む多くの政権内有力者が様々な思惑で歪んだ報告、判断、人事を繰り返す様が克明に記されているが、「なぜ」をもう一段掘り下げてほしい箇所が多くやや物足りない。また訳文が尋常でないレベルで読みにくいが(文脈を無視した直訳で、不自然な日本語が多い印象)、内容への興味がギリ上回り何とか読み切った。共産主義台頭の恐怖はその時代にいないと分からん&ベトナム強いなあという小並感。2023/03/13
katono
0
読んだのは社会人になった直後だったと思う。2段組で活字が小さかった。内容は言わずもがなハルバースタの傑作。たしか立花隆も絶賛していたはず。著者には是非トランプ政権の内幕物を書いてほしかった。(涙)