内容説明
ユーモアがあるかないかで、人生の豊かさは大きく変わる。ユーモアはものごとを多角的に眺めることを示唆してくれ、心の防衛にもなる。知的な言葉によって生まれるため、年齢を重ねているほうが扱いやすい。ショートショートを中心に九百編以上の作品を生み出してきた著者が、ユーモアの本質を考察。笑いのパターンから“しゃれ”や“をかし”の文化、日本人と西洋人のユーモアの違い、そしてユーモアの感覚の身につけ方までを開陳。会話が楽しくなる一冊。
目次
第1章 ユーモアって何だろう
第2章 ユーモアの学校
第3章 日本人とユーモア
第4章 西洋人とユーモア
第5章 いつも心にユーモアを
第6章 言葉の知恵
著者等紹介
阿刀田高[アトウダタカシ]
1935年生まれ。東京都出身。早稲田大学第一文学部卒業。国立国会図書館に勤務しながら執筆活動を続け、78年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。79年『来訪者』で日本推理作家協会賞、短篇集『ナポレオン狂』で直木賞、95年『新トロイア物語』で吉川英治文学賞を受賞。2012年、山梨県立図書館館長就任。著書多数。03年紫綬褒章、09年旭日中綬章受章。18年文化功労者に認定(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いつでも母さん
186
『機嫌よく長生きする秘訣』とある。ユーモアセンスの欠片もない私にはこの先を生きる上で大事なことを教えてくれた。とは言うものの・・難しい(汗)不満よりも賞賛するエネルギーを使うには頷ける。褒めることをけちらない。苦言を呈するのと同じくらいのエネルギーで褒めよう。そうだなぁ。褒めるって照れるけれど、これからは素直な気持ちで褒めよう!このエピローグでユーモアは知的な言葉によって表出されるのが本筋だと言われている。-楽しい言葉を探そうー長生きなどしたくはないが『機嫌よく暮らしたい』は同感です。2019/03/09
KAZOO
112
阿刀田さんに最新のエッセイ集です。内容的には結構ピリットきたりするものもあるのですが、むかしのものと比較すると切れというか突っ込み方が少なくなったりしています。やはりお年を召された感じがするのですが私にはちょうどいいのかもしれません。五木寛之さんのエッセイなども同じです。印象に残ったのは大塚商会のテレビのコマーシャルを紹介してこのようなユーモアあるコマーシャルをする会社をほめています。2019/06/07
ひらちゃん
75
阿刀田さんのユーモア論。肩の力が抜けていい感じ。これはオヤジギャグでは?なんて思いながらも、やはり人生に笑いは必須ですね。そういえば、イキイキして元気なご老人はユーモアがある方が多い。暗い顔してたら幸運も去っていきそう。うん、ユーモアを持って歩こう。2021/04/05
aloha0307
30
若い頃は丹田にちから漲り⚡エナジー充満も、ここ数年はこころのベクトルを↑にするためもがいてます^^;~読友皆さん 如何です?? ユーモアは笑顔を生み、複雑怪奇な人生を多角的に捉えられ、こころの防火扉となり、くつろがせる...その通りですね☺ 我が国のユーモア文化は歴史が長く、”多彩 知的 猥雑”で大したもんなんだね☺2019/03/26
雲をみるひと
23
阿刀田高氏の老いをテーマにしたエッセイ集。博学の作者なのでトピックが豊富だが、正直ずっと入る章とそうでもない章があった。軽いテーマとは言えないがユーモアがあるタッチの書き方で、読みたいところだけ読めばタイプの一冊だと思う。2024/12/04