内容説明
教育心理学が、広い意味での人間形成を志向するものであるかぎり、まず研究者自身がおのれの人間としてのありかたを問わねばならない。「現代を生きる人間を学ぶ学問」としての教育心理学を位置づけることから研究活動をつづけてきた編者の下に、その教えを受けた21名の研究者が集まり、基礎的研究、発達研究、学習研究、社会研究、臨床研究の五部に分かれて、それぞれの自分史とのかかわりで、その専攻領域の今日的課題について述べる。
目次
序章 心理臨床への道
第1部 基礎的研究への歩み(心理学における深層研究;大脳半球機能差研究;「教育心理学研究」における実践性;心理測定の意味;女子学生のための教育心理学教育)
第2部 発達研究への歩み(人間発達と家族研究の中で;青年心理学の課題;パーソナリティ発達研究における同一視の問題)
第3部 学習研究への歩み(学習実験からの転向体験;動機づけ研究の周辺;セルフコントロールと自己学習;思考研究における誤答の意味;教育評価研究の動向)
第4部 社会研究への歩み(態度変容研究の歩み;対人関係研究の歩みと今後の課題;社会的影響過程および帰属と教育;組織の中の人間)
第5部 臨床研究への歩み(臨床心理学の基礎概念;自閉症児の治療教育への歩み;重度心身障害児の心理臨床研究;地域療育の充実を求めて)