出版社内容情報
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内容説明
谷村は、地方都市に強い地盤を持つ大物議員の私設秘書。暮らしは安泰だったが、議員が病に倒れて一変する。後継に指名されたのが議員の一人娘、自由奔放で世間知らずの有美なのだ。会見で差別発言をしたり、屋上で自殺をほのめかしたりする有美に振り回されて疲弊する谷村。それでも地盤は盤石、当選確実だが―。全く新たなポリティカルコメディ。
著者等紹介
高嶋哲夫[タカシマテツオ]
1949年、岡山県玉野市生まれ。94年、「メルト・ダウン」で第1回小説現代推理新人賞、99年、「イントゥルーダー」で第16回サントリーミステリー大賞・読者賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yunemo
27
著者がこんな感じのノベライズを書くなんて、というのが読後の第一声。でも楽しめました。世襲政治を皮肉ったと言えばそうでもあるし、初めて政治に係る有美、その政治に対する本音がありありと。後継者として、選挙準備、開始、そして最終決戦までの有美本人の気持ちの流れと、秘書谷村の奮闘記なんでしょう。ただ周りを囲むそれぞれの立場の人間にとっては、有美という存在を面白いはずもなく、この辺りが国会議員になるための選挙という仕組みを如実に表してます。本当に日本を変えようと考える政治家、政界の垢にまみれて変わってしまわぬよう。2022/01/30
タルシル📖ヨムノスキー
23
議員秘書の谷村視点で描かれる選挙小説。谷村が仕えるのは地方都市に盤石な基盤を持つ大物議員。次の期を最後に引退を考えていた議員だったが、選挙の直前に病に倒れ、後継者に指名されたのが自由奔放で破天荒で世間知らずな一人娘の有美だった!この有美が凄い。記者会見中に平気で差別発言をしたり、辻立ちしている街頭で喧嘩騒ぎを起こしたり、挙句の果てには自殺未遂まで引き起こす。以前少しだけ選挙に関わったことがあるので、秘書・谷村の大変さがよくわかる。面白かったけど、何故か最後まであのじゃじゃ馬二世候補は好きになれなかった。2022/09/15
ニッキー
6
映画の原作と思っていたら、脚本からの逆起こしだった。 映画を見てみようかと。2022/08/07
ちゃーりー
5
今まで読んだ著者の作品とは趣の変わった作品、いかにもありそうな選挙の話、有美の言葉に納得。2022/09/28
ぷにこ
3
映画の脚本を小説に。政治家らしくないところが有美の強み。国民に近い感覚の政治家の少ない今の日本を象徴しておろと思った。2023/03/26