内容説明
田舎の町役場に就職した都会育ちの新藤結子。やる気も地元愛もゼロの彼女に任されたのは、毒舌上司・伊達との広報紙作りだった。防災団員、ゲームの聖地、伝統の祭り…。伊達の愛の鞭(?)を受けながら渋々取材を始めるが、できるだけラクをしたいのに、なぜか行く先々で事件に巻き込まれることに。新米公務員が奔走する痛快お仕事ミステリー。
著者等紹介
天祢涼[アマネリョウ]
1978年生まれ。「キョウカンカク」で第四十三回メフィスト賞を受賞し、2010年にデビュー。13年『葬式組曲』が第十三回本格ミステリ大賞の候補作に。同作に収録されている「父の葬式」は第六十六回日本推理作家協会賞(短編部門)の候補作にも選ばれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジンベエ親分
53
「希望が死んだ夜に」を書いた著者の作とは思えないほど軽い文体で読みやすい本だが面白い。東北の田舎町役場に就職した東京出身のやる気がない女子が、広報課に配属されて広報誌の担当になり、取材を通して生じた謎を解いていくミステリー。まあミステリーに拘らなくても普通にお仕事小説として鉄板の題材なんだが(笑) ミステリーとしては、謎を解く度に却ってピンチに陥るというパターンが新しくて面白い。あくまで主人公の成長物語に徹してはいるが、田舎の財政問題というテーマも見えたし未回収の伏線もあるし、早いうちに続編を希望。2019/02/03
coco夏ko10角
30
東北地方L県にある高宝町役場に就職、広報課に配属された結子、お仕事ミステリー。広報紙を作るために町の人と関わったり町のいいところを知っていったり…。結子の成長が感じられるのがいい。2019/09/16
マッちゃま
27
期待に違わぬ面白い お仕事小説ミステリ仕立て。期限付きで ど田舎の町役場に就職した都会育ちの結子。配置先は広報課で厳しい上司に絞られながら広報紙作りを任される。取材の度にトラブルが起こり結子は見事に解決するが、逆に取材がダメになり広報課としてピンチになっちゃい更に楽しめる凝った作り。広報課の未来に結子自身の成長まで味わえます。すぐミスリードに騙される僕としては第1話ですっかり引き込まれました。ミステリ的にはライトなんでしょうが、好きですよ。カバーのイラストに惹かれたならば、ぜひ購入をオススメします。2018/02/26
のんちゃん
24
ある事情により東京から遠く離れたL県高宝町役場に就職した結子は、広報課で広報紙作成を任される。上司は毒舌であるが伝説の広報紙作りだった伊達。渋々取材を始める結子だったが、その上いく先々で事件に遭遇し…、というお話。ここに癖のある町長が絡んできたりと盛りだくさんの内容で読み応えがある。頁数も多いが短編5編の構成なので飽きさせない。 結論に繋がる伏線の張り方も分かりやすく、また、結子の広報紙やこの町に対する心境変化にも熱いものを感じ、解説の書店員さんの言葉通り、ミステリーとしてもお仕事小説としても楽しめる。2018/04/08
きょん
18
婚約者と大学の仲間たちに裏切られ、やる気を失ったまま婚約者の地元県の田舎町役場にやってきた主人公。さらに関心のない広報誌作成業務を与えられ、しかもトラブル続き。トラブルを解決しても、それで解決ではない二段構えの構成が面白かった。段々仕事への意欲と地元愛を獲得していく主人公にも好感が持てた。2018/01/23