内容説明
山城長政、通称“武将さん”は、中三条商店街にあるカフェの店長。ある日、失踪したオーナー古木から「せいぜい頑張りや」と書かれた謎の紙束が届く。後日、カフェが何者かに荒らされ、長政は失踪に事件性を感じ調べ始める。すると、古木の実家の老舗懐紙屋と新進美術商との黒い噂が―。碁盤の目に交差する京の通りの“裏”を暴く京都ミステリ。
著者等紹介
池田久輝[イケダヒサキ]
京都府生まれ。1998年、同志社大学法学部政治学科卒業。99年、朗読ユニット「グラス・マーケッツ」を結成。“池田長十”名義で現在も活動中。2013年『晩夏光』で第5回角川春樹小説賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
京都と医療と人権の本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
65
なんやねんこの話は…主人公はいらちで無神経で、話の筋は生半可なハードボイルドやし、犯罪が絡んどんのに、おしまいはなんか登場人物が勝手に納得して幕引いてもたようでほんまそれでええんかちゅう感じやし、事件を解き明かしたつもりやろうけどそんなんではなんも解決しとらへん…いいたなるわ!それにしても副題の“甘辛事件簿”て直接に甘味は関係あらへんし、帯の謳い文句“京の老舗の裏事情、裏稼業”かてえらい頓珍漢やあらしまへんか?どない考えとんねん(笑)2016/02/11
TANGO
28
なんか想像してたのと違う、っていうのが第一印象。京都のカフェのオーナーが、巻き込まれた事件の謎解きに挑む。ほんわかしたミステリを想像していたが、思わぬ方向に事件は転がっていく。結末はある程度予測できたが、京都という舞台と、甘味の彩りを味わうにはいいかも。元オーナーが好みだなぁ。2015/04/15
ヨーコ・オクダ
25
最初、ほぼ全ての文章に「古木が」「古木の」てメインキャラの1人の姓が入っていて「この人、文章下手くそか!?」とか思ったりw読み進めていけば、その理由は分からんでもないんやけど…。その古木からお店を譲り受けた武将さん(名前が長政やから、そういうあだ名がついた)が探偵役。京都人の文化、気質等がちょっとオーバー目に描かれていて。死人は出ないけど、結構手荒なアクシデントもあって、ハードボイルド要素含み?タイトルとは裏腹に、ベースとなる事件はシビア。ただ、肝心な部分の描き方が匂わせ系、ぼやかし系なのがひっかかる。2022/08/18
瀧ながれ
18
京都のカフェギャラリーを舞台にした、ちょっとハードボイルドなミステリー。主人公が、皮肉屋ではあるが身内を大事にするいい奴で、辛い事件に巻き込まれてしまうのが、ほんとに同情する。ただの演出としての京都、と思って読んでたら、最後で「なるほど、これのための京都か」と理由がわかって、内心拍手しました♪ ちょこちょこ出てくる、京都のうまい店ガイドもよいね。2015/04/19
勝部守
11
京都を舞台に、京都弁で語られる、ユーモア系ハードボイルド。少し、物足りない。2016/03/23