内容説明
フリーライター深沢章人の兄が自殺して六年後、彼のもとをひとりの弁護士が訪れる。その時、初めて章人は、兄が死の三日前に結婚していたことと、多額の保険金がかけられていたことを知る。その死に不審を覚えた章人は、兄の死ぬ直前の足取りを辿り、「母の死の真相を調べる」という兄の遺志を継ぐため故郷へと向かう。そこで彼が掘り起こしてしまったものとは…。話題作『越境捜査』の著者が描く、慟哭の物語。
著者等紹介
笹本稜平[ササモトリョウヘイ]
1951年千葉県生まれ。立教大学社会学部社会学科卒。出版社勤務後、海運分野を中心にフリーライターとして活躍。2001年『時の渚』で第18回サントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞。04年『太平洋の薔薇』で第6回大藪春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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みえ
54
この作家さんの登山の本じゃないのを初めて読んだ。面白かった。夜更かしして一気に読んだ。2019/03/15
ちゃさち
24
六年前の兄の自殺。その死は本当だったのかという話。弟が主人公で、父は田舎の名士、母は死にその後にきた継母。兄は生きていたが最後継母の手先になってしまった男に殺される。とてもスケールが大きくておもしろかったです。2018/01/08
一笑
19
主にアウトドア関係の取材物の記事で生計を立てているフリーライターの深沢章人の元に弁護士楠田が訪ねてくる。六年前に自殺したとされる兄雄人の死因に疑いがあるという。保険金が絡んだ殺人ではないかというのだ。長い間実家と関わることを避けてきた章人だが仲の良かった兄の死の真実を探し求めるため故郷に帰る。主人公の章人、兄雄人、いずれも結末は全く予想できないものだった。予想できなかったということは、もしかしたちょっと展開に無理があったのかしれない。が、お馴染みの笹本さん。飽きさせないでどんどん引き込まれてしまった。2022/12/10
キムチ
19
出だしが意味深な雰囲気・・次々と死人が出てくる。そもそも兄は生きているのか。中盤までは持って回ったような修飾が多く、ちょっと鼻についたが、俄然走り出す。章人とタッグを組む楠田がもっさりとしていたのに、なかなか立ち回る。時にはひやりとしたが。 血は水よりも濃い・・のいい回しの様に、父と息子らのカネを巡る相克の影に女・・しかも「彼女」にまつわるもつれた糸が結構面白く、メモを取って読み続けた。「許さざる」と言うのは戸籍を弄るあの女か。 2013/11/01
あずき
14
人の欲の卑しさが方々から… 後半結末が見えましたが一気読み。2017/04/26
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