出版社内容情報
独特のエロティシズムと精緻な文章で綴られた、徹底した被支配関係から生じる恍惚と恐怖……謎の英国作家サーバンによる幻想譚2篇。独特のエロティシズムと精緻な文章で綴られた、徹底した被支配関係から生じる恍惚と恐怖……謎の英国作家サーバンによる戦慄の幻想譚を2篇収録。本邦初訳。
田舎屋敷に家庭教師として雇われた女子大生が謎めいた子供たちと過ごす夏休みは、次第に奇怪な様相を帯びていく……古代異教世界が顕現する「リングストーンズ」(1951年)。女子寄宿舎学校を舞台に、少女が人形つくりが趣味の青年と出会い、やがて彼の人形のモデルになる。しかし、その青年の真の正体とは……服従と束縛の快楽が横溢する怪異譚「人形つくり」(1953年)。繊細で喚起力の強い文体を通じて、徹底した被支配関係から生じる魅惑と恐怖が織りなす荒々しいマゾヒズム的快感が描写される、知られざる英国作家サーバンによる幻想中篇を2篇収録。
〈サーバンは自分の生きる社会、時代の規範的、標準的な性愛の概念には強い違和感を覚えていたに違いない。彼は「愛」という西欧社会の発明を信じていないのだろう。そして、それこそ彼が異界を舞台にした小説を書かずにはいられなかった理由のひとつかと思われる。(……)本書に収録したふたつの中篇は、巧繊に織りなされたペルシャ絨毯のように魅惑的な超自然譚であり、日本ではこれまで知られることのなかった幻想小説の佳什として楽しんでいただければ幸いである〉(横山茂雄:本書解説より)
サーバン[サーバン ]
館野浩美[ タテノヒロミ ]
1972年神奈川県生まれ。翻訳者。自身のウェブサイト影青書房(http://far-blue.com/)でフィオナ・マクラウド、ケネス・モリス等のケルト幻想文学の翻訳を公開中。
内容説明
独特のエロティシズムと精緻な文章で綴られた、徹底した被支配関係から生じる恍惚と恐怖…謎の英国作家サーバンによる戦慄の幻想譚を2篇収録。本邦初訳。
著者等紹介
サーバン[サーバン] [Sarban]
1910年イングランド・ヨークシャ生まれ。本名ジョン・ウィリアム・ウォール。ケンブリッジ大学ジーザス・コレッジにて英文学を学ぶ。大学卒業後、外交官試験に合格、ベイルートに赴任する。以降、カイロ・カサブランカ・タブリーズ・イスファハンなどで勤務。1951年、最初の著作である中短篇集Ringstones and Other Curios Talesを刊行、つづく中篇『角笛の音の響くとき』(52)がSFとして世界的に評価を受ける(邦訳早川書房)。89年没
館野浩美[タテノヒロミ]
1972年神奈川県生まれ。翻訳者。自身のウェブサイト影青書房でフィオナ・マクラウド、ケネス・モリス等のケルト幻想文学の翻訳を公開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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