内容説明
アメリカ公使館員として訪れたアルハンブラ宮殿の美しさに魅了された作家アーヴィングが、かつての住人、ムーアの王族の栄光と悲嘆の歴史に彩られた宮殿に纏わる伝承と、スケッチ風の紀行をもとに紡いだ歴史ロマン。異国情緒あふれる物語世界は、発表以来、ヨーロッパに一大ブームを巻き起こした。
目次
旅路
アルハンブラ宮殿
大いなる交渉―アーヴィング、君主ボアブディルの王位を継承する
アルハンブラ宮殿の住人
大使の間
イエズス会図書館
アルハンブラ宮殿の築城者であるアルハマールについて
アルハンブラ宮殿の完成者、ユースフ・アブール・ハジーグについて
不思議な部屋
コマレスの塔からの眺め〔ほか〕
著者等紹介
アーヴィング,ワシントン[アーヴィング,ワシントン] [Irving,Washington]
1783‐1859。アメリカのロマン派を代表する作家。文壇デビュー作の『ニューヨーク史』(1809)においてユーモアや軽妙な諷刺で才気を発揮した後、1815年にイギリスに渡ってからは牧歌的でスケッチ風の物語や神話伝説の独自の世界を描いた短編集『スケッチ・ブック』(1819‐20)で一世を風靡した。また、スペイン滞在中に着想を得、旺盛な創作意欲とイスラム文化への傾倒を遺憾なく示した本作『アルハンブラ物語』(1832)に代表される歴史文化の分野でも意欲的に文学活動を展開した。晩年は念願としていた畢生の作品『ジョージ・ワシントン伝』(1855-59)の著述に没頭してこれを完成した
齊藤昇[サイトウノボル]
立正大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。