内容説明
芝居小屋が軒を連ねる江戸は猿若町。上方への巡業から戻った人気女形が、なぜか突然大根役者になっていた。そんな折り、その幼い息子が不審な死を遂げて…。続いて起きた謎めいた出来事につながりはあるのか?(「にわか大根」)南町奉行所の同心・玉島千蔭。男前だが女心にはちとうとい。けれども事件となれば名推理が冴える。江戸情趣溢れる連作時代ミステリー。
著者等紹介
近藤史恵[コンドウフミエ]
1969年大阪府生まれ。大阪芸術大学文芸学科卒業。’93年『凍える島』で鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2008年『サクリファイス』で大薮春彦賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ダイ@2019.11.2~一時休止
112
猿若町捕物帳その3。連作短編集。どんどん主要キャラが増えてきている?。一番気になるのは千蔭の縁談は結局どうなる?。2017/10/16
へロム
75
一巻目の主要登場人物の個性がますますイキイキと描かれ、お駒さんなど新たな登場人物も物語をより一層面白くしている。謎解きも人としての弱さや情が引き起こすもので、その辺りの心理描写が近藤史恵さんの真骨頂だと思った。このシリーズぜひ長く続いて欲しい。【図書館本】2014/07/22
りゅう☆
70
吉原で3人の遊女が不審な死を遂げた。3人の繋がりは雀。実は巴之丞が「吉原雀」を演じていた。何か関係あるのか? / 巴之丞のライバル的若手女形が巡業後、芝居下手になっていた。ある日彼の息子が転落死した。事故か?まさに彼が演じたのが「にわか大根」 /自堕落な生活を送る船芝居役者の相方の死体が天水桶で発見。誰もが認める善人を誰がなぜ殺す?そこに隠れてるのは愛だった「片陰」。短編を通じてお駒の従姉おふくが登場したり、梅が枝との距離が縮まってきたり。仕事っぷりは男前だけど女に関心なくタジタジな面を持つ千蔭が魅力的。2023/10/10
ひさか
67
ジャーロ2004年冬、春、秋号、2005年冬、夏、秋号掲載の3編の連作を2006年3月に刊行。2008年3月文庫化。シリーズ3作め。今ある全5作の中で、この3作めを最後に読みました。同心の玉島千陰が、謎に気づく瞬間の描写がとても良いのです。また、八十吉の視点が、面白く、事件や人について語る内容が、物語に彩りを添えて、興味深いです。2015/10/02
財布にジャック
67
1作目より2作目、2作目より3作目と、このシリーズは着実に魅力がアップしてきてます。今回は3つもお話が入っていて盛り沢山で、ラッキーでした。しかし、この微妙な終わり方は罪ですよ、近藤さん!どうしてくれるんですか?千陰と梅が枝の今後が気になるので、次も早めに読めって言われてるみたいで焦ります。仏頂面の千陰さんが、回を重ねる毎に素敵に見えてきました。2011/08/09
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- 和書
- 兇人邸の殺人