出版社内容情報
探偵業も軌道に乗ってきた磯貝公太。小樽にある高級料亭旅館〈銀の鰊亭〉の主である青河文が紹介してくれた依頼主は、文の同級生で親しい間柄の有名俳優・西條真奈。真奈からの依頼は、仕事を辞めて引っ越してから、連絡が取れなくなった姉の行方捜しだった。ところがあまりにも手がかりが少ない。丹念に調査する磯貝が行き当たった最大のヒントは、古いスーツケース。混迷を極めたが、予想もできない真相が最後に待ち受ける!
内容説明
小樽の高級料亭旅館“銀の鰊亭”で起こった火事騒動を機に警察を辞め、探偵事務所を始めた磯貝公太。“鰊亭”で知り合った大学生・桂沢光や、その叔母・青河文たちの協力もあり、順調に仕事をこなしていた。ある日、文を通じて、有名な俳優の同級生から人を捜してほしいとの依頼があった。北海道知事の特別秘書だった姉が、仕事を辞めてから行方不明だという。調査を開始した磯貝だが、あまりに手がかりが少なく…。
著者等紹介
小路幸也[ショウジユキヤ]
北海道生まれ。広告制作会社を経て、執筆活動に入る。2002年、「空を見上げる古い歌を口ずさむpulp‐town fiction」で第29回メフィスト賞を受賞し、作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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akky本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
187
小路 幸也は、「東京バンドワゴン」シリーズ中心に読んでいる作家です。「磯貝探偵事務所」シリーズ第三弾、今回 もモヤモヤした感じで終了、これが本シリーズの型なのでしょうか❓ https://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/97843341032862024/07/01
はにこ
69
これ、シリーズものだったのね。銀の鰊亭は過去に読んでいたけど、内容覚えてないなー。二作目は未読。それでも楽しめて良かった。元刑事の磯貝探偵が失踪人を追う話。何故失踪したのか、果たしてまだ生きているのか、ハラハラするような話じゃないけど、こうやって探偵って仕事するのかなとか想像してみたりして。失踪の真相はよく練られていた。こんな悪いことしている役人、ホントにいそう。。2024/07/20
Karl Heintz Schneider
58
札幌に探偵事務所をかまえる磯貝。ここには様々な依頼が来る。ケースA浮気調査、ケースB身辺調査、そして今回の依頼はケースC失踪人。北海道知事の秘書である女性が失踪した。彼と別れ、仕事も辞め、引っ越しをしてそのまま本人だけがいなくなった。どこかで元気にしていればいいがそれとも。雲をつかむように何も手掛かりのないところから藁にも縋るように関係者に当たってゆく。そこから細い糸がつながってゆき最後には真相が明らかになる。まさかあの人が!そこにつながるとは。小路さんならではの見事な展開にため息の出るような結末だった。2024/07/12
えみ
53
女優の姉であり、北海道知事の特別秘書。周囲の誰もが認める超有能な彼女・最上紗理奈は突然職を辞し、失踪した。生きているのか、死んでいるのか…嫌な予感を抱きつつ女優である妹の依頼を受けた私立探偵・磯貝は<ケースC>と区分している失踪人捜しを始める。王道の中にある際どい心理戦、そして協力者を囲い込む柔和な話術。派手さはないのに惹かれる手腕。元警察官という設定も人柄に調和して、事件解決へのいいスパイスとなっている。紗理奈はどこへ?なぜ突然失踪したのか。人から人へ、過去から現在へ、疑惑から確信へ。探偵の失踪人捜し!2024/07/03
rosetta
37
★★★✮☆「銀の鰊亭」シリーズの磯貝探偵事務所が有名女優から姉の失踪の調査を請け負う。気のいいおばさんキャラである北海道知事の特別秘書だった彼女は住んでいた部屋の荷物を整理屋に頼むわ、転居先の住所はデタラメだわ。調べるうちに姉妹の母親も30年前にやはり失踪していたことが判明。希少なトランクを母親と知事が偶然所有していたせいで薬物密輸事件巻き込まれたらしいと分かってくるが…何となくのんびりとした印象で捜査が進むが… 小路さんならハッピーエンドかと期待したのだが、全てが丸くふんわりとは着地しなかった!2024/09/08