光文社新書<br> 日本とフランス二つの民主主義―不平等か、不自由か

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光文社新書
日本とフランス二つの民主主義―不平等か、不自由か

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  • サイズ 新書判/ページ数 270p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784334033651
  • NDC分類 309.1
  • Cコード C0210

内容説明

自由を求めて不平等になる国と、平等を求めて不自由になる国。

目次

序章 日本型「自由」偏重民主主義
第1章 “左翼”が消えた日本
第2章 日本型「珍」民主主義とアメリカの影
第3章 日本型自由主義の死角
第4章 フランス型「非自由」民主主義
第5章 フランス型平等主義の限界
第6章 なぜ、フランスはかくも不自由を求めるのか

著者等紹介

薬師院仁志[ヤクシインヒトシ]
1961年大阪市生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士後期課程(教育社会学)中退。京都大学教育学部助手、帝塚山学院大学文学部専任講師を経て、’98年より帝塚山学院大学文学部国際文化学科助教授。主な専攻分野は社会学理論、現代社会論、教育社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

hk

22
アメリカ独立宣言によって米人は国王を捨て神に縋った。他方フランス人は革命によって国王も神も政治から放逐し一般意思(知性)に賭けた。畢竟、米は「神のもとに平等は保障される=政府は平等に対して責任はとらない」とし、仏は「法のもとに平等を保障する=国家が公的領域に介入し、ある程度の平等を実現する」とした。ここに自由志向民主主義と平等希求民主主義という2つの潮流が産まれる。翻って目下の日本では自由民主主義が大手を振るっており、平等民主主義というものは傍流だ。本書はそんな平等民主主義にスポットライトを当てている。2017/11/14

ラウリスタ~

19
民主主義の中には、神の前では平等ということは自明であるから、自由競争をしようというアメリカ式と、「自由を制限すること」で人為的に平等な社会を築こうとするフランス式の二つの極がある。一般に、保守=自由、左派=平等。なんだけども、アメリカでは左派が「リベラル」と逆に呼ばれる。それは「宗教的に自由」だから。戦後アメリカ式に民主化された日本では、自民党がむしろ大きな政府を作り、郵政民営化で「小さな政府!」を叫んだ時に、左派は自分たちを定義できなかった。公務員の特権批判は貧乏人にとってはむしろ逆効果なのだが感情的に2018/03/25

mit

15
米国では神の下の平等を前提に、法で国民の自由を保証しているのに対し、フランスでは公共の場において宗教やコミュニティは排除され、法の下の個人の平等が最重要であるとし、そのために自由を制限することも必要と考える。自由と平等は必ずしも両立せず、それらを実現するための「民主主義」は国によって目的が異なる。欧米において、右派は保守であり、小さな政府による自由主義を採るが、左派は福祉を重視し平等主義を採る。米国では、経済的には共和党、宗教的には民主党が自由主義的である。日本の左派は目標が混乱し、支持が得られていない。2015/10/19

hk

12
民主主義には2つの大きな潮流がある。1つはアメリカ型の自由偏重民主主義、もう1つがフランス型の平等重視型民主主義だ。日本ではこの2つが同一視されてしまっているがために、左派と保守の対立構造が解りづらくなっている。……左派を総称するリベラルは自由主義と訳されるが、左派陣営はある程度の平等社会を実現するのが課題である。一方で保守政党である自由民主党は看板に偽りなく自由主義を希求しているのだが、その対抗勢力がリベラル(自由主義)というのは滑稽な話しだ……本書はこうした自家撞着をわかりやすく解きほぐしている。2017/03/16

kochanosuke

11
付箋を使いまくった大変なお値打ち本。視野をぐいっと広げてくれた本でした。付箋の数だけ広がってればいいけど…。著者の文章にはキレがあって、親しみがあって、抑制が効いてて。大学の先生ということだけど、授業もおもしろいんだろうな。他の著作も読みたい。2012/08/12

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