バーリンの自由論―多元論的リベラリズムの系譜

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  • サイズ A5判/ページ数 429,/高さ 22cm
  • 商品コード 9784326101795
  • NDC分類 311.233
  • Cコード C3010

出版社内容情報

正義を根源的価値としたロールズの系譜に対立する、個人の自律を重視するリベラリズムの流れ──バーリンとその後継者たち。消極的/積極的自由の区別の理由を問う。

バーリンの消極的自由/積極的自由の区別は、すでに「現代の古典」となっている。この区別は、しかし二者択一的なものではない。彼の思想史研究や独自の価値多元論と結びついているのである。ラズ、グレイ、ガリボー、マルガリート、シュクラーらの流れをたどりつつ、バーリンが探求した「最小限に品位ある社会論」の再構成をめざす。

[関連書] アイザィア・バーリン 『自由論』 (みすず書房)

 序 章 なぜバーリンの自由論に注目するのか

第一部 価値多元論とリベラリズム

 第一章 価値多元論と二つの自由概念
       ──バーリンの多元論的リベラリズム

 第二章 通約不可能な諸価値からの自律的な選択
       ──ラズの卓越主義的リベラリズム

 第三章 価値多元論と自由の実践
       ──グレイのポスト・リベラリズム

 第四章 価値多元論とリベラリズムを結びつける試み
       ──両者を結びつける試みへのバーリンの確信と懐疑

第二部 品位ある社会の実現を目指して

 第五章 品位ある社会と恐怖のリベラリズム
       ──バーリンとシュクラーの自由論に即して

 第六章 品位ある社会とは何か
       ──マルガリートによる「品位ある社会」を物語る試み

 第七章 品位ある社会の人権論
       ──イグナティエフの人権観の変化に即して

第三部 品位ある社会の自由論

 第八章 価値多元論とリベラリズムの事実上の結びつき
       ──バーリンとグレイの論争をめぐって

 終 章 品位ある社会の自由論の可能性

あとがき
参考文献一覧
索引

内容説明

正義を根源的価値にすえたロールズの系譜に対抗する、個人の自律を重視するリベラリズムの系譜。ラズ、グレイ、ガリポー、シュクラー、マルガリート、イグナティエフらの議論をたどりながら、バーリンによる消極的自由/積極的自由の区別の理由を探究する。「最小限に品位ある社会論」とはどのようなものなのか。

目次

なぜバーリンの自由論に注目するのか
第1部 価値多元論とリベラリズム(価値多元論と二つの自由概念―バーリンの多元論的リベラリズム;通約不可能な諸価値からの自律的な選択―ラズの卓越主義的リベラリズム;価値多元論と自由の実践―グレイのポスト・リベラリズム;価値多元論とリベラリズムを結びつける試み―両者を結びつける試みへのバーリンの確信と懐疑)
第2部 品位ある社会の実現を目指して(品位ある社会と恐怖のリベラリズム―バーリンとシュクラーの自由論に即して;品位ある社会とは何か―マルガリートによる「品位ある社会」を物語る試み;品位ある社会の人権論―イグナティエフの人権観の変化に即して)
第3部 品位ある社会の自由論(価値多元論とリベラリズムの事実上の結びつき―バーリンとグレイの論争をめぐって;品位ある社会の自由論の可能性)

著者等紹介

濱真一郎[ハマシンイチロウ]
1968年長崎県に生まれる。1999年同志社大学大学院法学研究科博士後期課程中退。現在、同志社大学法学部准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ステビア

2
良著だが繰り返しが多く非常にくどい本になってるのが残念。ジョン・グレイすげーって思った。2013/12/24

oniratea

2
リベラリズムと価値多元主義をいかにして結び付けるか?そこには「弱い心理学的な結びつき」があり、価値多元主義の立場から理性的にリベラリズムを擁護することができる、とバーリンは言う。単なる相対主義に陥らないために、とても参考になる書だった。2008/07/30

つばな

0
すごい分かりやすくて良かった。2022/02/12

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