内容説明
「およそエロティシズムを抜きにした文化は、蒼ざめた貧血症の似而非文化でしかない」(「血と薔薇」宣言)という思想のもと、さらなるエロスと残酷を追い求める第2巻は、「フェティシズム」に焦点を当てる。生田耕作、種村季弘、松山俊太郎のエッセイのほか、司修、谷川晃一らの幻想的な絵画作品を多数収録。幻の雑誌、堂々の文庫化第二弾。
目次
鍵のかかる女(立木義浩)
少女(吉岡実)
悪魔のエロトギア―西欧美術史の背景(澁澤龍彦)
聖道門への憧れ(稲垣足穂)
アポリネールの秘めごと歌(堀口大學訳)
ネクロフィリアの画家 クロヴィス・トルイユ紹介(澁澤龍彦)
オスカー・パニツァ作 天上の悲劇、愛慾公会議(村田経和訳)
蓮から「さかしま」に―インド古詩評釈(松山俊太郎)
ポーノグラフィーの美学―スティーヴン・マーカスの“ポーノトピア”をめぐって(中田耕治)
特集フェティシズム1 毛皮を着たヴィーナス(石元泰博)
特集フェティシズム2 シンデレラの靴(種村季弘)
特集フェティシズム3 レチフと靴フェティシズム(生田耕作)
未来のイヴI~V(司修、中村宏、落合茂、谷川晃一、司修)
カフカの「処刑機械」とデュシャンの「大硝子」カルージュの分析(東野芳明)
蒸気機関車式殺人機械(中村宏)
人間蒸留装置 改良H・M13型之図(池田龍雄)
電気ウナギによる殺人機械(長新太)
正体の知れない恐怖、悪夢、狂気が映像化され自らを破壊する受像装置(堀内誠一)
八重霞 連載(一)~(三)(武智鉄二)
地獄の絵師=渓斎池田英泉
英泉えがく艶画のサドマゾヒズム(高橋鐵)
悪場所の秘儀(廣末保)
デモンの軌跡(出口裕弘)
著者等紹介
澁澤龍彦[シブサワタツヒコ]
1928‐87年。東京生まれ。本名龍雄。東大仏文科卒業後、マルキ・ド・サドの著作を日本に紹介するかたわら、人間精神や文明の暗黒面に光をあてる多彩なエッセイを発表。晩年は小説に独自の世界を拓いて、広く読まれた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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