感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
140
第61回文藝賞受賞作ということで読みました。リズミカルなラップのような文章、全く退屈せずハイパワーで、朝の通勤のみで一気読みしました。ある意味で、オフィス・ホラーでした。 次回作も期待です。 https://www.kawade.co.jp/np/isbn/9784309039374/2025/01/10
かみぶくろ
41
3.7/5.0 全力で笑い取りに来てましたね。小説で笑い取るのって簡単じゃないと思いますが、わたしはけっこう笑いましたよ、光景想像するとヤバすぎて笑いましたね。ハイテンションでつらつら続く言葉の笑いセンスも高いと思いましたし、楽しかったです。小説としてなにを言いたいのかはよく分かりませんでしたが、人が人であることの哀しみみたいな大真面目なテーマがうっすら滲んでる気もしていて、おお‥と思いました。2024/12/21
chie
29
どう受け止めていいかわからない小説だった。主人公は職場で、1000倍の支払いミスをして、周りから疎まれるようになる。ミスをする以前はどうだったのか疑わしいけれど、以来、ただ一人、チームリーダーが、執拗にコミュニケーションを図ってくるようになる。主人公は、そんなチームリーダーに、自分への悪意を見い出そうとする。そして、とうとう、チームリーダーの、自分への悪意が尻尾を現す。私は主人公にもチームリーダーにも、親近感を覚えるけれど、この小説は、それほど生易しいものではなさそうである。2025/01/11
翡翠
19
これはパンク版ヴァージニア・ウルフなのか?あるいはトーマス・ベルンハルトのように思考と行動の途轍もない渦に飲み込まれた人間の妄想か?(ここらあたりでどなたかに笑っていただけると嬉しい)いや現代日本の病辺をあますことなく取り上げ、鬱屈とした日常に反旗を翻す糞テロなのか!?とふざけるのはここまでにして。冒頭はちょっと苦手な作家かも?と思ったのだが目的地までの超超特急に乗って降りれません状態。気づくとラップ調で文章を読んでいるというはじめての経験。ジェットコースターに乗った後の爽快感、楽しかった!2024/12/10
いっち
17
冒頭を読んで挫折しそうだった。誰が何を語ってる何の話なのか、さっぱりだったから。新人賞受賞作だからと読んでると、途中から面白くなってきた。主人公は経理の仕事で、本来の1000倍の支払いをしてしまった。職場のチームリーダーは大変だったのに、やけに主人公にやさしい。食事に誘ったりしてくれる。チームリーダーが主人公のジャケットを勝手に着て踊り、はじけ飛んだボタンを食うあたりからカオス。チームリーダーの暴走に、どこまでもついてく部下たち、止められない主人公。くすっと笑えるところが多かった。最後まで読んで良かった。2024/11/29