出版社内容情報
祖父敏雄の思い出、両親との旅行、息子がいる日常……友人のような家族と、家族のような友人の距離をユーモラスに描く60篇。
内容説明
「あなたが結婚するような人だとは前から思っていなかった」わたしが未婚で子どもを産むと決めたその場で、母がそう言ったからわたしはとても驚いた。―変わりゆくものと、変わらないもの。愛とユーモアに包まれた家族のかたち。
目次
第1章 家族って(母になる私に;かた焼きそばの春 ほか)
第2章 そして、彼らと(ノンちゃんのお父さん;カツマタさんのファッション ほか)
第3章 家族って、再び(豪徳寺を離れて;家族って ほか)
第4章 あの日、あの街(思うままに;Kさんからの便り ほか)
著者等紹介
しまおまほ[シマオマホ]
エッセイスト・漫画家。1978年生まれ。多摩美術大学美術学部二部芸術学科卒業。1997年に高校生のときに描いた漫画『女子高生ゴリコ』でデビュー。雑誌や文芸誌でエッセイや小説を発表するほか、ラジオのパーソナリティとしても活躍(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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konoha
54
どっしりしていて心地良い文章。家族や友人、東京の街などの思い出は色合いが伝わってくるようだ。しまおさんの感性と記憶力が優れているのだと思う。最近、問題のある親の話に嫌気がさしていたので、にぎやかで少し変わった家族に愛され、息子を愛していく様子が心に染み渡る。以前書かれていた奄美大島の話が好きだったのでまた読めてうれしい。しまおさんは遠い親戚の人柄まで大事にする。自分が子供の頃も変わった親戚がたくさんいた気がする。そういう大人の存在が子供には大事なんだな。このエッセイで書かれる家や家族の形が愛おしい。2023/06/08
アコ
17
幼少期や学生時代の何気ない日常の回想を綴ったエッセイ集。著名な父方の祖父母、写真家で風変わりな両親、そばにいた母方祖父母、未婚で出産し育てている息子。そうした著者の「家族」が登場するけど、あくまで中心にいるのは著者。これがよかった。/世田谷と奄美の登場率が高い。/日経新聞夕刊連載+雑誌に掲載作をまとめた1冊なので、似た話が数回登場したのはご愛嬌かな。/祖父島尾敏雄、祖母ミホ、叔母マヤのことはなんとなく知っていたけど家族視点で綴るエピソードがリアルで興味深かった。2023/03/06
阿部義彦
14
文豪の孫、しまおまほさんのエッセイ集。何故か彼女には、私を惹き付ける何かをずっと感じていたのです。昔の漫画にいた、おしゃまなオテンバでおっちょこちょいのキャラそのままという感じで。中学校で卒業前にピアスを開けたくて、父に言うと「いいね」と、やってくれそうな外科医院を見つけてくれ、その上同伴までしてくれて、穴を開けるエピソードには微苦笑です。翌日ピアスをして登校してからの一悶着、それを見てた先生の「卒業前にする事に意味があったんだよね!」帰り道父も母もすがすがしい気分で家に帰った。なんて素敵な家族。2023/08/17
桐一葉
6
理解力が足らなくて私にとっては死の棘が難しい。けど、興味があるので少しでも理解したいなぁって思ってしまう。まほさんから見たジッタンを知ることの方が親しみをおぼえる。伸三さんから見ると狂ってるって言葉も印象的。まほさんが綴る思い出が柔らかくていくらでも読んでいたいと思う。2023/02/23
りょう
5
どうってことない、豪徳寺周辺で育ち暮らす若いお母さんのエッセイだけど、その若いお母さんが、あの「死の棘」の島尾さんのお孫さんというところで、あ、確かにユニークな人がいっぱいでてくるなあ、と思う程度。2021/05/27