出版社内容情報
日本の10分の1ほどの国土に5万件以上の文化財が建つオランダ。歴史的価値と新しい魅力が共存するユニークで大胆な改修事例を紹介。
「都市は、様々な時代の建物が混在することで、歴史的な襞や厚みが生まれ、豊かになる――」(「はじめに」より)
内容説明
オランダ国内で100件以上、計130件ものヨーロッパの改修事例を豊富な写真資料とともに紹介。現地をめぐれる地図コード付き。
目次
第1章 保存・活用事例(ミュージアム;教会堂;修道院 ほか)
第2章 改修の手法(増築;室内化;減築 ほか)
第3章 ダッチ・リノベーションの環境と背景(社会環境;文化財制度;文化財の活用へ向けた制度と取り組み ほか)
著者等紹介
笠原一人[カサハラカズト]
京都工芸繊維大学助教。1970年神戸市生まれ。1998年京都工芸繊維大学大学院博士課程修了。博士(学術)。2010‐11年オランダ・デルフト工科大学客員研究員。DOCOMOMO Japan理事。住宅遺産トラスト関西理事。近代建築史、建築保存再生論専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アメヲトコ
6
オランダにおける挑戦的な建築の保存再生の手法を豊富な事例とともに紹介した一冊。3章構成で、1章では用途別に、2章では手法別に実例(オランダ以外も含む)が挙げられ、3章ではそれを可能にする制度的背景が解説されます。その取り組みはかなり攻めたもので、建築は建てられた瞬間から重要性が認められれば所有者の同意なしに問答無用で文化財指定され、解体できなくなる「0年ルール」には驚きです。事例のなかでは、文化財の修道院建築をカジノに転用した例、ガラス張りの現代建築に農家の写真をシートにして貼り付けた例が強烈でした。2021/06/03
Koki Miyachi
1
世界をリードしているオランダの建築遺産の再開発、再利用、リデザインの現在形リポート。保存・活用事例、改修の手法、環境と背景について詳説。豊富な事例と写真による情報量は圧倒的。系統的にダッチ・リノベーションを知り、現在の潮流を理解するための決定版。2021/07/03
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