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アナーキカル・ガヴァナンス―批判的国際関係論の新展開

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  • サイズ A5判/ページ数 231p/高さ 21cm
  • 商品コード 9784275004451
  • NDC分類 319
  • Cコード C3010

出版社内容情報

書評 朝日新聞2006/11/5 書評者山下範久(北海道大学助教授)
週間読書人2006/11/10書評者仲正昌樹(金沢大学教授)

内容説明

戦争の内部化過程の問題は、大きな戦争(major wars)の終焉とともに終わった訳ではなく、むしろ二一世紀初頭の情況に照らしあわせてみると、小さな戦争(small wars)の常態化と共に新しい局面に入りつつあるように見える。フーコーたちが指摘したような戦争の国家‐社会への内部化の問題は、グローバリゼーションに伴う主権国家体系の大きな変容と連動しながら、新しいステージへと進みつつある(著者「序」より)。

目次

1 暴力の超領域的グローバリゼーション(世界内戦化と法外な暴力;「小さな戦争」を正当化する、もう一つの正戦論;ポスト・リベラルな世界秩序と他者の抹殺;「長い二一世紀」における二つの共和主義:シュトラウスとネグリ)
2 倫理の跛行的グローバリゼーション(アナーキカル・ガヴァナンス;移行期の正義と記憶の政治―過去の人権侵害と“復讐/赦し”との関係で;歴史的不正義に関する記憶の政治―アジア地域主義の中の他者;視覚的イメージをめぐるグローバル・ガヴァナンス―戦争の表象をめぐって;「人の移動」の新たな管理統制とコスモポリタン・モメント)

著者等紹介

土佐弘之[トサヒロユキ]
1959年東京生まれ。専門:国際関係論。東京大学大学院総合文化研究科修士課程修了。神戸大学大学院国際協力研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

シノウ

5
旧来の植民地支配が姿を変え、戦争の内部化を招いた。 アメリカのパワーの衰えが、アメリカ帝国の縁辺部における統治機構の空白化ないし、力による支配を招いている。 読むのに力は必要だが、論考としては十分目を通すに値すると思う2021/05/20

Mealla0v0

3
M・フーコーの「人種主義」を切口に、世界内戦と帝国/〈帝国〉や正戦論/聖戦論が批判的に検討されている。ネグリ的〈帝国〉の限界を示すとともに、アメリカの「非公式帝国主義」への批判を重ね合せている手腕は脱帽。そして、世界内戦下にあって、例外状態を拡大させながら「法外」な暴力を振るうことを正戦論として肯定していくアメリカやEUの動きも捉えられていて非常に面白い。最後に、戦争の「血腥さ」を脱色しようとするシュミラークルのメカニズムの検討も、今日に至るまでの趨勢であり、本書刊行以降も尚問題で在り続けている。2017/12/19

抹茶ケーキ

0
現代政治の諸々の論点(統治性、帝国論、難民、虐殺など)についての論集。いかにも『現代思想』系の本だなと思った。2016/07/15

Myrmidon

0
敵を非-人間と位置づけるレイシズムを軸に、思想的な観点から現代国際社会を分析する。ネオコン的なグローバリズムが「法の外」の存在を生み出し、排除していく一方、所謂リベラルな国際法・国際協調を重視する態度もまた、一方的に有利な側からの抑圧・排除の論理を内在していることが指摘される。第三の選択としてマルチチュードを基礎にしたネグリ的「オルタ・リベラリズム」の方向が好意的に捉えられるが、そこにも欧米中心の文明史観は潜んでおり、単純なマルチチュード万歳!ではない。ちょっと用語が衒学的でむつかしーのが難点か。2011/10/25

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