内容説明
やりきれないことがあるたびに、友だちと食べるケーキの味は格別(『ホール』)。バイト先でケーキを買ってくれる天使たち。その素顔と理由は(表題作)。経理で不機嫌そうな表情の彼女が、唯一笑顔を見せる瞬間を見てしまい(『騎士と狩人』)。特別で、でもいつも変わらずおいしいショートケーキをめぐる連作集。
著者等紹介
坂木司[サカキツカサ]
1969年東京都生まれ。2002年『青空の卵』で“覆面作家”としてデビュー。日常の謎系ミステリのみならず青春小説の書き手としても注目を集める。13年『和菓子のアン』で第2回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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涼
63
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/12/post-69514a.html ショートケーキにまつわる短編集です。 駅地下ビルのケーキ屋でアルバイトをしているカジモト君とその姉が出てくる、【ショートケーキ】と【騎士と狩人】が好きでした。2024/12/06
D
45
ショートケーキをテーマにして家族や友人関係を描く短編連作小説!ほっこりしましたね。ケーキと紅茶をおやつにしたくなる。2025/05/13
カブ
45
今日はコージーコーナーのショートケーキを食べよう!って思ってしまう、特別で美味しいショートケーキにまつわる連作短編集。どのお話もちょっとづつ繋がっていて、ケーキにふさわしい優しくて幸せなお話。2024/09/12
のんちゃん
40
ショートケーキ🍰を中心に、各話の主人公が前話の主人公にちょっとずつ関わりながら話が進んでいく連作短編集。坂木先生が歌人岡野大嗣さんの歌に感銘を受けてできた作品。ショートケーキを万人が好むものと位置付け、それを希望の光と捉え、そんな物語をのこしたいと作者が思われて書かれた作品と解釈した。そう、ケーキって今はいつでも食べられるけど、やっぱり記念日とか特別な日に食べるって印象がある。だからそれを食する機会は特別な希望の光を放つ時なんだと思う。読み終えた後、すごく幸せな気持ちになった。こういう読書が私は好きだ。2025/04/29
はる
39
ショートケーキが食べたいってなる本。この作家さんが書いた食べ物系の本って読み終わったらその現物が食べたくなる。今回の作品はショートケーキにまつわる人間模様。それがご褒美だったり、気分を変えたいときだったり、いろいろ。でも、目から鱗だったのは追いイチゴ。その手があったか。私もやってみよう。2025/02/11