内容説明
やりきれないことがあるたびに、友だちと食べるケーキの味は格別(『ホール』)。バイト先でケーキを買ってくれる天使たち。その素顔と理由は(表題作)。経理で不機嫌そうな表情の彼女が、唯一笑顔を見せる瞬間を見てしまい(『騎士と狩人』)。特別で、でもいつも変わらずおいしいショートケーキをめぐる連作集。
著者等紹介
坂木司[サカキツカサ]
1969年東京都生まれ。2002年『青空の卵』で“覆面作家”としてデビュー。日常の謎系ミステリのみならず青春小説の書き手としても注目を集める。13年『和菓子のアン』で第2回静岡書店大賞・映像化したい文庫部門大賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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涼
60
http://naym1.cocolog-nifty.com/tetsuya/2024/12/post-69514a.html ショートケーキにまつわる短編集です。 駅地下ビルのケーキ屋でアルバイトをしているカジモト君とその姉が出てくる、【ショートケーキ】と【騎士と狩人】が好きでした。2024/12/06
カブ
44
今日はコージーコーナーのショートケーキを食べよう!って思ってしまう、特別で美味しいショートケーキにまつわる連作短編集。どのお話もちょっとづつ繋がっていて、ケーキにふさわしい優しくて幸せなお話。2024/09/12
はる
39
ショートケーキが食べたいってなる本。この作家さんが書いた食べ物系の本って読み終わったらその現物が食べたくなる。今回の作品はショートケーキにまつわる人間模様。それがご褒美だったり、気分を変えたいときだったり、いろいろ。でも、目から鱗だったのは追いイチゴ。その手があったか。私もやってみよう。2025/02/11
荒川叶
39
本の名前の通りショートケーキに書いてある様々な人の物語が書いてある。どのように捉えるかでショートケーキのイメージが変わってくる一冊。一番印象に残った文は、あなたは人生でいくつのショートケーキを食べたか。意識した事ないことをきかれたら私は一瞬びっくしながらも考えた。2024/09/14
kaede
36
昔、ホールケーキの1/4を全て食べられず、翌朝の朝食に残りを食べていたのを思い出す。今も甘いものは得意じゃないけど、疲れている時、無性にケーキが食べたい時は、安牌なショートケーキを選ぶ。そんな時に売り切れていたらまさに絶望。「追いイチゴ」の神様、誰かの尊い瞬間に立ち会わせてくれてありがとうございます。これはこの作品全体に私からは伝えたい言葉。2024/10/20