内容説明
一度だけ、4分33秒の間に人生の後悔をやり直すことができる“時守”の能力によって、親友の月子を事故死から救った陽葵。しかし、彼女が過去を変えたことで新たな犠牲者が生まれてしまう。陽葵は“魔女”の忠告に背いて、クラスメートで時守の千歳と2度目の「やり直し」を試みるが―。感動のタイム・ファンタジー第2弾。
著者等紹介
太田紫織[オオタシオリ]
1978年、北海道札幌市生まれ。2012年、小説投稿サイトE★エブリスタで発表した「櫻子さんの足下には死体が埋まっている」でE★エブリスタ電子書籍大賞ミステリー部門(角川書店)優秀賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
寂しがり屋の狼さん
57
一度だけ、4分33秒の間に人生の後悔をやり直すことができる【時守】の能力によって、親友の月子を事故死から救った陽葵。しかし、彼女が過去を変えたことで新たな犠牲者が生まれてしまう。陽葵は”魔女”の忠告に背いて、クラスメートで時守の千歳と2度目の『やり直し』を試みるが…感動のタイム・ファンタジー第2弾(◕ᴗ◕✿)2023/10/30
へくとぱすかる
53
人生のやり直し。それがタイムトラベル小説の最大の魅力だろう。二度目をどうやり直すかの違いが、ドラマのヴァリエーションとなる。前巻を承けて、陽葵は周囲の運命を変えようとするが、時にはほろ苦さも避けられない。だがそうした日々のうち、彼女も人間的に成長していく。自分の過去は変えられなくても、できることはある。ピアノに始まる物語は、変奏されながら北海道の空気を運んでくるよう。さて4分33秒の意味だが、休符だけの音楽でも背後に聴こえる音があるように。世界のバックグラウンドから人生を再発見する物語の比喩と考えてみた。2023/08/02
ひさか
37
2023年7月文春文庫刊。書き下ろし。シリーズ2作目。珈琲と時間の魔女の序曲、一杯目のこされた者のための舞踏曲、二杯目シュガーバター追想曲、三杯目ラ♭の練習曲、の4つの連作短編。相変らずアンバランスな展開で、納得も共感も難しいが、最終話が比較的バランスが取れた話に仕上がっている。このノリで、陽葵の時守スタイルを早く明らかにして欲しい。次巻に期待。2023/08/27
よっち
34
一度だけ人生の後悔をやり直せる《時守》の能力を使って、親友の月子を事故死から救った陽葵。しかし代償として新たな犠牲が生まれていたことを知る第二弾。関係者たちの変えてしまった状況を何とかしようと、魔女の忠告に背いてクラスメートの千歳と2度目のやり直しを試みる陽葵。とはいえ魔法で修正できる限界や魔法を使う副作用もあって、必ずしも万能ではない難しさを感じましたけど、一方で母としっかり向き合って想いを告げたり、妹との関係にも変化の兆しが見えて、月子にも粘り強くアプローチを始めた陽葵の頑張りを応援したくなりました。2023/07/27
小梅さん。
14
陽葵の必死さが切ない。 まだほんの中学生なのに、、、 同じ立場の千歳くんがいることが救い。 少しずつ距離も縮まっている、かな。 妹との関係もよくなりますように。 千歳くんのこれまでのことも、タセットの2人の過去もすごく気になる。 シリーズ続編があると信じて待つ。2023/09/09