出版社内容情報
ピアノの調律に魅せられた一人の青年が調律師として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った長編小説。伝説の三冠を達成した感動作。
内容説明
高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会って以来、調律に魅せられた外村は、念願の調律師として働き始める。ひたすら音と向き合い、人と向き合う外村。個性豊かな先輩たちや双子の姉妹に囲まれながら、調律の森へと深く分け入っていく―。一人の青年が成長する姿を温かく静謐な筆致で描いた感動作。
著者等紹介
宮下奈都[ミヤシタナツ]
1967年福井県生まれ。上智大学文学部卒。2004年「静かな雨」で文學界新人賞佳作入選。2007年初の単行本『スコーレNo.4』が話題を呼び、ロングセラーに。2015年に刊行された『羊と鋼の森』が、2016年本屋大賞、王様のブランチブックアワード大賞2015、「キノベス!2016」1位という史上初の三冠を獲得し、ベストセラーとなる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 5件/全5件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1565
まずはタイトルが魅力的だ。しかも、それが物語全体の暗喩になっているのも心憎い。我々読者は、読み進めるにつれて、ピアノの森の奥深くに誘われてゆくのである。それを語る本書の文体は、比喩に次ぐ比喩で固められている。音楽や、調律を表現するには、それが最善の、あるいはそれしかない語り方であるのかも知れない。調律をテーマに選んだ閃き、そうした文体を発見したこと、そして朴訥な北の森の主人公を設定したことで、物語は飛ぶように編まれていったのだと思う。終幕が、外村と和音のこれからの飛躍を暗示するシーンであるのも清々しい。2019/07/20
カメ吉
1012
音楽(楽器)に無知な自分にも充分楽しめた秀作だと思いました。 板鳥さんや職場の人達に見守られ、双子の女子高生ピアニスト?と出会って、この1冊の中で主人公の外村クンが成長し1人前の調律師に近づいていく姿は心地良いし温かかった。シリーズではないがもっと登場人物達のこの先が読みたくなる。 本当に良い作品でした。2018/04/28
ちくわ
756
こんなに題名から内容を想像出来ない小説も珍しいな…とは言え、冒頭で直ぐに題意を理解。ピアノという既知でメジャーな世界を、調律師という未知でマイナーな世界から紐解いた感じで、新鮮で好奇心を擽る素敵な作品だった。私見だが、モブキャラだと思っていた柳さんの言葉が響く。P.32「知らないっていうのは、興味がないってことだから」、P.125「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。…」人気ドラマのように脇が個性的で光る作品ってイイよね! そんな中、最も心に響いた言葉が和音ちゃんの…【続く】2026/02/22
まさ
734
宮下さんがトムラウシにいた頃に執筆した作品だと聞いていたので、北海道の広く静かな景色も想像しながら読み進めました。読み始めると広がる木立に佇んでいるような爽やかな気持ちになります。そしていつの間にか静かな森の中へ。静かな中に伝わってくるピアノの音色と自然の景色とがシンクロしているようにも感じます。 そしてそれは、主人公の外村さんの一歩一歩の成長を間近で見ているから聴こえてくるのではないかと思えました。外村さんの成長を感じながら、静かに、善いもの、美しいものを自分も感じとりたいと思います。2018/02/25
rico
705
調律師を志す青年の成長を描く。青年は、不器用に愚直にピアノに向かい合い、世界につながる音楽に近づいていく。何だろう、この感じ。ページを開くとピアノの音が立ちあがってくる。ころがり、はじけ、きらめき、そしてしみこんでいくような。そっか、ピアノって羊と鋼と森でできてるんだね。静かで美しい物語。ずっと浸っていたい。2018/04/05
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