出版社内容情報
渋谷のチームを解散して三年。東大生となったカオルは自分たちの名を騙る偽者の存在を知り、アキのいる裏の世界に近づこうとするが。
『ヒートアイランド』のアツいやつらが帰ってきた!
渋谷のチームを解散して三年。東大生となったカオルは自分たちの名を騙る偽者の存在を知り、アキのいる裏の世界に近づこうとするが。
内容説明
渋谷のチーム「雅」を解散して3年。カオルは東大生となり、アキは裏金強奪のプロとしてそれぞれ別の道を歩み始めていた。ところが、ファイトパーティを模したイベントを見たという級友の話を聞き、カオルは愕然とする。あろうことか主催者は「雅」の名を騙っていたのだ。過去の発覚を恐れたカオルはアキに接触するが…。
著者等紹介
垣根涼介[カキネリョウスケ]
1966年長崎県生まれ。筑波大学卒。2000年、『午前三時のルースター』(文春文庫)でサントリーミステリー大賞と読者賞をダブル受賞し、デビュー。04年、『ワイルド・ソウル』(新潮文庫)にて、大藪春彦賞、吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞と、史上初のトリプル受賞に輝く。05年には『君たちに明日はない』(新潮文庫)で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
398
4巻シリーズの完結編。しかも、デビュー作『午前三時のルースター』の後日談をも兼ねている。『ルースター』のエンディングが抒情を湛えていたのに比して、残念ながらこちらは説明的な結語だ。また、第1巻からここまで徹底してハードボイルドを貫いたことは、好みの分かれるところか。賛同者の方が多そうだが、私には不満も残る。この巻はなんだかかつての仲間たちとの同窓会のようであり、それはそれで完結性を持っているが、やはり余情は求めても得られない。読後感は爽快ではあるのだが、記憶には深く刻み込まれることはなさそうだ。2019/04/17
しんたろー
180
シリーズ第4弾。『午前三時のルースター』主役・慎一郎と1作目の主役級・カオルが出逢い、二本軸で進む青春物語。このシリーズらしい、街、人、世相などの描写が随所にあって楽しめるし、柿沢、桃井、アキも絡んできて嬉しいが、事件は小さくサスペンス感は弱め…1&3作目のような緊迫感はなかった。「青春の名残り」をホロ苦くノスタルジックに描いているので、己の20代を振り返ってシミジミもした。全作を読んで心残りなのは(アキが主役だから仕方ないが)柿沢&桃井が主役の話がなかったことで、スピンオフで二人のその後を書いて欲しい♬2019/12/04
KAZOO
153
ヒートアイランドシリーズのⅣです。これであとⅡを残すのみとなりました。カオルという人物はそんなに頭がよかったというのはこれで知ることができました。大検で東大に入ってしまうのですが。過去のつながりなどで、アキや二人組が出てきて問題解決と最後はすっきりさせてくれます。「サウダージ」で若干閉口したのですが、この作品では元の状況に戻してくれました。2016/05/01
Satomi
81
「ヒートアイランド」シリーズ第4弾!!アキとカオル、かつては渋谷の少年たちを束ねていたチームのツートップ。アキは裏の世界、プロの強盗に。カオルは東大に。もう2度と会うことはないと思っていた2人の共演。存在を脅かす偽物たちに鉄拳制裁をくだすワンナイトカーニバル!!若き日を共に過ごした仲間たちとの再開にテンションあがりまくり。若いから許された、若さゆえの刹那的な痛みがやたらと胸を打つ。とても面白かった。このシリーズ読み終えてしまった…。もっと読みたい。ずっと追いかけていきたい大好きなシリーズとなりました。2017/08/18
スエ
79
過去を忘れられず、過去に縋る男たち。 東大生になっても、裏稼業に手を染める様になっても。思い出すのは、危険と刺激に満ちたあの頃の事ばかり…。 そして、チーム「雅」1日限りの復活!! 思い切り楽しもう。思い切り弾けよう! もう過去はそこには無いのだから。2020/08/30