内容説明
「金日成の寿命を１２０歳まで延ばそう」―この目的で東医研究所、俗にいう長寿研究所は作られた。そこでは基礎・臨床あわせて２００人の医療陣の他、金日成のためだけの食品を開発・生産する人、衣服や寝具類を手作りする人など総勢４０００人が働いていた…北朝鮮の女医で工作員だった著者が、知られざる“聖域”の実態を明かす。
目次
第１章 北朝鮮脱出
第２章 中国で過ごした「千年の歳月」
第３章 わが心のふるさと
第４章 私は主体医学の伝習者
第５章 長寿研究所の秘密
第６章 私は平凡な恋がしたい
著者等紹介
金素〓［キムソヨン］
１９４９年、ソウル生まれ。平壌医大卒業。人民軍戦傷者病院に勤務したのち、金日成高級党学校政治保衛大学でスパイ訓練を受け、秘密工作員として国内外で数多くの功績をあげる。また、金日成長寿研究所で、党高位幹部の主治医として腕をふるった。９２年、韓国に亡命。現在はソウルで自然療法研究院を運営するかたわら、東国大学大学院で研究を続けている
吉川凪［ヨシカワナギ］
大阪に生まれ、新聞社勤務などを経てソウルの延世大学付属韓国語学堂に留学、韓国語を学ぶ。２００１年、仁川・仁荷大学国文科大学院卒業。博士論文は詩人・鄭芝溶の研究
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感想・レビュー
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うたまる
1
「首領様の寿命を120歳まで延ばそう！」……本書は羊頭狗肉で、中身は脱北した元工作員女性の回顧録が正しい。しかし長寿研究所の話が全体の20％程度とはいえ、これがメチャ面白い。科学というより魔術に近い蛋白質フルーツ、白髪が自然に黒くなるという神仙枕、金日成に若者の血を提供する採血組、食事と薬の人体実験を担う決死隊。一女性の挫折と再起が主題のはずなのに、どうしても北朝鮮のイカレっぷりの方に目が行ってしまう。そして、透けて見える韓国との類似性。近代化しても自由化しても共産化しても、結局コリアはコリアなんだな。2019/07/31
AR読書記録
1
「金日成の寿命を120歳まで延ばそう」ーこの目的で，東医研究所，俗にいう長寿研究所は作られた...裏表紙の紹介文で，こりゃあ，ありえないレベルのネタ満載の面白本に違いない！と思って下世話な根性で借りてみました．が，基本は一脱北女性の半生記．うーん，違った...と思いながら読みましたが，短いながら第5章「長寿研究所の秘密」は，期待通りの面白さです．たんぱく質リンゴの作り方といったら！ 女性の自伝としていうと，非常に“良妻賢母”や女性らしさへのこだわりが強く，これが儒教の国の思想なのかなぁとか思います．2012/01/25
山葵
0
2000年に韓国で出版されたもの。2002年に日本語版出版。著者は変わった経歴の持ち主で、幼い頃、出身成分の良い家庭にこっそりと養子縁組をし(戦後の混乱によってそれが可能だったという)、後に医者となる。保衛大学に招集されて工作員としての訓練を受けてさまざまな任務を行った後、金日成の健康のための研究を行う長寿研究所で働いた。古い本ではあるが、興味深い内容が多い。2022/04/26
くらーく
0
いやー、主体思想万歳だな。あー、お手上げか。 著者は脱北の女医だけど、医者のレベルなのかねえ？首領様を120才まで生きさせるために、いろいろやったけど、目標の6割程度で亡くなったんだっけ？成果が無かったと言うことじゃないかねえ。 それでいて、脱北して嫌々だけど、南朝鮮に行って、やりたい事は恋愛とか。この本のタイトルは間違っていないか？ まあ、かの国の異常さが知れるけど、未だに変わっていないのだろう。2019/01/03
