内容説明
1999年9月18日、タンパベイ・デヴィルレイズはア・リーグ西地区の首位テキサス・レンジャーズと対戦する。その8回裏、ツーアウトの場面で、デ軍は新人投手をマウンドに送った。名前はジム・モリス、背番号63。35歳で3人の子持ち。MLB最年長ルーキー誕生の瞬間だ。メジャーリーガーへの夢を追い、奇跡を起こした男の感動実話。
著者等紹介
モリス,ジム[モリス,ジム][Morris,Jim]
1964年、サンディエゴ生まれ。7歳で野球をはじめ、19歳の時、ドラフトでミルウォーキー・ブルワーズに指名されるが、腕の故障つづきで選手生活を断念。苦学して大学を卒業し、テキサス州の高校教師となる。コーチを引きうけた野球チームの生徒たちとの約束でタンパベイ・デヴィルレイズの入団テストを受けて合格。1999年、ついにメジャーリーグ・デビューを果す。2001年、移籍したロサンゼルス・ドジャーズを引退
松本剛史[マツモトツヨシ]
昭和34(1959)年、和歌山市生まれ。東京大学文学部社会学科卒業
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感想・レビュー
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Willie the Wildcat
73
紆余曲折の半生の中でも、心底に秘め続けた夢。そこに至るまでの様々な出会いや気づきが身近に感じる。一歩踏み出すきっかけと心情の描写に、自分自身の半生を振り返る。後悔はなくも、踏み出せなかったことがある。だから、著者の出現は私にとっても記憶に残る。印象的な場面は、お気に入りの1人、Candiotti氏と同僚だったマイナー時代。異なる道だが、両氏の苦難の道の共通項を垣間見た気がした。生徒たちとの約束を果たす決断をした場面はもちろんだが、本著の終わり方もいいですね。E.Roosevlt女史の言葉が頭に浮かんだ。2021/10/18
みなみ
7
300ページちょいの本。35歳にしてメジャーリーガーになったジム・モリスの自伝。自伝なので淡々と人生を綴っている。個人の自伝の背景にはアメリカの地理、生活、文化、時代がある。異なる文化の日本人の私には想像しづらい部分もあるのだが、だからといってサラッと読み飛ばしてしまってはダメだろう、というわけでじっくりゆっくり読んだ。映画のフィールド・オブ・ドリームスも出てくる。それを作れば彼がやってくると引用されている。あの映画は時代の記憶なんだなあ。2020/02/21
西澤 隆
3
映画は見た。だから先生が子どもたちに背中を押されての大進撃に再会できるのかと思ったらそうではなく、ジムモリスのMLBに至るまでの自伝とでも言うべき小さい頃からいろいろあったことを淡々と綴る物語。あらためて思うのだけれど、アメリカってのは「求めないひとはいつまでもそのまま」だけれど「求めれば上がる道はある」国なのだなあと思う。生活が厳しく子育てもしなきゃいけないジムが何年もかけて大学に通うのも自己実現ではなく「あがる」ため。この優しくもとてつもなく厳しい社会。僕らとは全然違う社会だなのだなあと痛感しました。2017/05/22
まぁ
1
きっかけはどうあれ、35歳にしてメジャートライアウトに受かるだけのものをもっていたということなのだろう。 野球が好きで好きで、だがしかし一方ではドラッグのようだというのはすごい表現。 平々凡々と生きてきた自分には、いい意味で野球に振り回されてきた人生が羨ましく映る。2020/05/08
ワイト
1
野球好き、そして教員志望の自分としてはとても面白く読めた!レアでこんなありえないことが本当にあるのかと…笑2015/02/24