内容説明
玉音放送は軍・将兵への「御言葉」だった!?日本人は終戦をどう受けとめたか。政治や軍部の中枢から前線の将兵や銃後の人々まで、30の視点が語る忘れてはいけないあの戦争。貴重な証言で埋め尽された「後世への贈り物」。当事者30人が昭和38年夏に一堂に会した、前代未聞の「座談昭和史」。司会は半藤一利(当時、33歳)。
目次
大座談会 日本のいちばん長い夏
対談 四十四年後の解説
補論 日本終戦史の問題点
著者等紹介
半藤一利[ハンドウカズトシ]
1930年、東京生まれ。東京大学文学部卒業後文藝春秋入社。『週刊文春』『文藝春秋』『漱石先生ぞな、もし』で第12回新田次郎文学賞を、『ノモンハンの夏』で第7回山本七平賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおりんご
33
半藤さんと、多くの方の会談会。軍部にいた方、最前線で戦っていた方、収容所にいた方、内閣で働いていた方など、とても幅広い方からメンバーが構成されていて、あの夏の様子が、いろんな角度から検証されているのが面白い。「いちばん長い日」を借りるつもりで偶然手にしたけれど、これはこれで面白かったのでオッケー。2021/05/30
kiyoboo
30
「日本のいちばん長い日」が図書館になかったので、この本を手に取った。戦後18年の昭和38年に終戦記念日の関係者を集めた座談会。今ではほとんどの方が亡くなっているので実に希少価値がある。多大な経費を掛けた原爆も最初から回避する意思がなかったことや玉音放送も実は軍部向けだった?しかも陛下自ら撮り直しをしたなどの新事実も書かれている。実に興味深い作品だった。2015/08/16
とみやん📖
25
今年も終戦を迎えたときと同じように暑い夏がきた。毎年この時期はかの大戦を振り返るようにしている。今回は、半藤一利さんの代表作。戦争の傷跡がまだ癒えぬ昭和38年6月に、歴史の証人28人を「なだ万」集めて、ポツダム宣言の発表から玉音放送までを振り返る企画(加えて、町村金五元警視総監と吉田茂元首相も誌上参加)。歴史的研究が進んだ今となっては、驚くに足りない内容にも思えるが当時としては、それまで分からなかった新事実も飛び出し、非常に意義のあることだったのだと思う。文藝春秋時代の半藤さんの活躍も脱帽。 2019/08/10
川越読書旅団
23
基本リベラルのスタンスなのだが、大儀を重んじ行動する当時の国民に対しては生理的に胸を熱くしてしまう。2024/11/16
ちくわん
20
2007年10月の本。第一部が1963年6月の30人座談会。1945年7月27日~8月15日までを当時様々な場所、立場にいた方々が語る。第二部は、44年後の2007年に座談会を半藤氏らが見直す。半藤氏を含め大半の方が故人となった。しかし、こうしたしっかりとした資料がある限り、先の戦争は残る。風化は記憶が薄れた、当時を知る人がいなくなったからではない。本書にも瀬島龍三氏、この人も凄い。2021/02/14
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