文春文庫<br> 唱歌誕生―ふるさとを創った男

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文春文庫
唱歌誕生―ふるさとを創った男

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  • サイズ 文庫判/ページ数 298p/高さ 16cm
  • 商品コード 9784167431051
  • NDC分類 916
  • Cコード C0173

出版社内容情報

東京が都市化にゆれた明治末から大正初め、「故郷」「春が来た」「春の小川」「紅葉」等、今も懐しい名曲を次々と創った二人の男がいた

内容説明

島崎藤村『破戒』のモデルとなった信州・蓮華寺にまつわる人々、シルクロード探検に情熱を燃やした大谷光瑞―明治から大正にかけての日本には楽天的な国際主義と日本回帰の心情が奇妙に交錯していた。その渦の中で高野辰之・岡村貞一コンビによる文部唱歌「故郷」「春が来た」「紅葉」等が次々と生まれてゆく。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

エドワード

17
引き続き明治。今尚私たちを惹きつける唱歌「故郷」の作者、長野県出身の高野辰之と鳥取県出身の岡村貞一の足跡を追う。文部省により、国民国家日本の国語力強化の目的を担って作られた唱歌。そこには、江戸の分権社会から、明治の中央集権国家への道のりが見えて来る。<志を果たして何時の日にか帰らん>故郷を離れて立身出世する、それが何よりの成功という価値観は今も健在だ。詩人を夢見た高野、声楽家を夢見た岡村。<夢は今もめぐりて忘れ難き故郷>故郷とは、若い日の夢が行き先を失い封印されている場所のことだ、という文章が印象に残る。2015/12/25

さっと

2
島崎藤村『破戒』のモデルとなった信州の蓮華寺にゆかりのある人々と、今日まで歌い継がれる唱歌「故郷」「紅葉」などをつくった作者のつながりから、維新後の近代国家としてのあゆみと「唱歌誕生」の背景を辿るノンフィクション。耳なじみのある唱歌をつくりあげた高野辰之・岡村貞一コンビの交わりは一瞬で、タイトルからそこらへんがメインと思っていたので、なんだかなぁ。でも、何気なく絡み合っている登場人物たちがおもしろくて、相変わらずのアプローチのうまさに脱帽です。2012/05/13

c3po2006

1
★★★2017/06/06

ななっち

0
「ふるさと」という文部省唱歌をめぐり、作詞・作曲の高野辰之、岡野貞一、また、高野と交錯する寺を舞台として、島崎藤村、西本願寺の門主大谷光瑞の人生が織りなす人生。若き日の夢が沈殿する場としてのふるさと、その相葛藤する歌の趣旨が織り交ざるからこそ、歌詞が染み渡るような気がします。2011/10/30

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