出版社内容情報
吉田茂、小林一三、谷崎潤一郎、五代目歌右衛門ら政財界人、文人、役者二十三人。軽妙清雅な筆で記す、"ぜいたくな人生"その生き方
内容説明
軽妙清雅な傑作人物伝、絶品23篇。みごとな生涯をおくった一流の人物の一級の人生を、芸術を見るような喜びを味わいつつ軽妙清雅な筆致で綴る、第一等の人物論。
目次
光村利藻の愛妾
十一代目片岡仁左衛門の豪遊
谷崎潤一郎の四季
吉田茂の白足袋
横山大観の富岳図
大倉喜七郎のホテル
藤原義江の女性
内田百〓の御馳走
長谷川巳之吉の出版
徳川義親の虎狩り〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
kochi
9
いろんな人物のぜいたくと言う観点から見た伝記。莫大なお金を使い尽くしてしまったバロン・サツマをはじめとして、金銭的な「ぜいたく」も含まれているが、その意味は人により違う。たとえばオペラ歌手の藤原義江はなんの財産もなかったが、その才能を愛し援助してくれる人に恵まれた。その人とのつながりを著者はぜいたくという。演劇界などで筆を奮い、推理小説も書いた著者ならではの視点が見られる文人を対象にした話がおもしろいが、文字として残っている記録を渉猟した結果が多い中で、取り上げられている多彩な人物と著者の直接の繋がりも。2023/03/02
ワッピー
2
ここに紹介されている方々のある見方からすれば結構嫌味になるかもしれないこだわりを戸板さんの語り口で洒脱にさわやかに読ませてしまいます。自分のこだわりを妥協せずに貫くことは確かに贅沢とも見えますが、本人には至極当たり前のことかとも思います。ワッピーも周りに流されず、自分の好みを曲げない道楽者でありたいものです。2013/06/22
いちはじめ
1
「ちょっといい話」などのエッセイで洒脱な人物評をみせた著者だが、これはそれらエッセイよりも一人一人にさくページが長い分、読み応えがある2004/03/19