文春文庫<br> 滄海(うみ)よ眠れ〈3〉ミッドウェー海戦の生と死

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文春文庫
滄海(うみ)よ眠れ〈3〉ミッドウェー海戦の生と死

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  • サイズ 文庫判/ページ数 486p/高さ 16X11cm
  • 商品コード 9784167239114
  • NDC分類 916

出版社内容情報

戦いの一カ月あまり前に結婚式をあげた日米双方の士官パイロットに時は短かった。夫の戦死後、妻たちは思いがけない運命をたどる

内容説明

戦いの一カ月あまり前に結婚式をあげた日米双方の士官パイロット。彼らに与えられた時間はあまりに短かった。四空母が沈み、すべての飛行機を失った戦場で米軍機の猛爆にさらされた2隻の重巡。それは悲惨な戦いだった。束の間に刻んだ鮮烈な愛の足跡と、とり残された「三隈」「最上」の悲劇を描く最終巻。

目次

第13章 「あけぼの丸」
第14章 まぼろしの蜜月
第15章 重巡「三隈」「最上」
エピローグ 少年の死

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

James Hayashi

32
3巻で気になったのは、15歳の兵隊4人も亡くなっている。彼らは志願兵であり自ら国のために命を捧げた。本人も可哀想だが、残された両親や家族の悲壮さはいかほどであろうか?解説にあるが、米軍からはもちろん、元日本海軍からも厳しい目線を受けながらの手記(サンデー毎日)であったに違いない。しかしここに書き留められたものは戦記からは見えない、人心を多く描き切っている。途轍もない調査である。第34回菊池寛賞受賞作。2019/12/25

CTC

9
全3巻の3。ミッドウェーでの全戦死者を調べ、主にその妻らの話を追うこの作品の中で、当巻は影の薄い三隈と最上の戦死者を主題とする。両艦は機動部隊同士の闘いののち、ミッドウェー島基地施設への砲撃命令を受け、行動中に僚艦同士で衝突して傷ついた。両艦を率いる第七戦隊司令官は栗田健男中将だが、まず命を受けた際の位置が「進出予定地点より約八〇浬おくれていた」し、二艦損傷後の見切りもやけに早い。読む者全てがのちのレイテ回頭の前兆を視ることだろう。せめて海戦の後に敗因と錯誤を検証しておれば死者も少しは浮かばれたろうに。2020/08/12

後藤良平

1
もっと早く読めば良かった。最後まで読んで、高木さんの解説まで読んだ時、初めてこの本が世にでた重みを認識した。栄光の日本軍には、真実の記録が何も残っていないのだろうか。ここにも情報公開制度後進国の特徴と伝統が現れているのか。澤地さんが拘らなかったら、誰も知らずに終わっていた。そこを突っ込んだからこそ、戦死者名簿を持っている厚生省援護局が閲覧さえ拒否したのだろう。それにしても、3日間で失われた日本3057名、米軍362名、そして合わせて338名の未成年の命の、なんと多く、重いことか。年間No.85榴岡図書館2020/08/19

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