出版社内容情報
高度成長時代に日本を席巻したマクドナルドが凋落する一方、いまだに伸び続けるディズニーランド。ビジネスモデルで見る日本の未来。 ベストセラー『2020年マンション大崩壊』の筆者の第2作! 前回は個人の住宅問題に切り込んだが、今回はビジネスモデルが対象。
日本の高度成長時代、「量的充足」を目指したマクドナルドのビジネスモデルは、外食産業のみならず、日本のすべてのビジネスモデルを牽引するものだった。とくに、不動産では、企業は、都心から郊外へ、いかに安く大量にオフィスビルや住宅を供給するかに鎬を削った。同じサービスが「どこにいても手に入る]ことが重要だった。
そのいっぽうで、ディズニーランドは浦安・舞浜のシンデレラ城にこもったきり、外には決して出てこなかった。不況下でも値上げを続け、「ここにこなければ手に入れることが出来ない」価値を生み出し続けることに集中した。「質的充足」を目指したビジネスモデルの先駆者となったのである。
そして1996年以降、日本の生産人口が下り坂になると、マクドナルド型ビジネスモデルは、急速にどこにでもある陳腐なもの、すなわち「コモディティ化」し、その価値は崩壊していく。対するディズニーランド型のビジネスモデルは、他では手に入らない、特別なサービスを提供することで、現在のビジネスシーンを牽引している。
しかし、今、絶頂にあるディズニー型ビジネスモデルにも、やがて限界が来るだろう。それは、1%の超富裕層と99%の貧困層といわれる、超格差社会の到来が、「特別」をウリにしたディズニーランド型のビジネスモデルすら存続不可能にするからである。
2040年を予想したさまざまな指標は、これまでのビジネスモデルがすべて通用しない、世界が来ることを示唆している。そのとき、あなたはどうする……
牧野 知弘[マキノ トモヒロ]
内容説明
銀座から全国津々浦々に広がったマクドナルドと、浦安のシンデレラ城に籠ったきり出てこないディズニーランド。「量的充足」時代のエースと、「質的充足」時代の先駆者から四半世紀ごとのビジネスモデルの変遷を読み解き、そこから、次の四半世紀、日本社会が直面する恐るべき現実を抉り出す!
目次
第1章 マクドナルドが目指した「量的充足」社会の実現―一九七一年からの四半世紀を展望
第2章 ディズニーランドがこだわる「質的充足」ビジネスの展開―日本の絶頂期八〇年代にやってきたディズニーランド
第3章 マクドナルドはなぜ行き詰ったのか―九六年以降の日本社会の変質
第4章 ディズニーランドはなぜ三年連続で値上げできるのか―社会の変質の先にあったディズニーランド型価値観の創出
第5章 マクドナルド型ビジネスモデルに見る今後の価値下落―二〇二一年以降の社会の展望
第6章 ディズニー型ビジネスモデルによる価値創造―二〇二一年以降の不動産価値
第7章 ディズニーの夢から醒めたとき―二〇四六年に向けてのクライシス
著者等紹介
牧野知弘[マキノトモヒロ]
オラガ総研株式会社、株式会社オフィス・牧野代表取締役。東京大学経済学部卒業後、ボストン・コンサルティング・グループを経て三井不動産に勤務。J‐REIT(不動産投資信託)の日本コマーシャル投資法人を上場。現在は、ホテルや不動産の開発・運用アドバイザリーの他、事業顧問や講演活動を展開(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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5 よういち
壱萬参仟縁
mazda
磁石
よっしー