内容説明
旅が現在ほど容易ではなかった時代、また一生海を見ないことが珍しくなかった時代、音楽家、作家、画家たちは、この果てしなく海の広がる「水の都」でどんなインスピレーションを授かり、光輝く「南の国」はいかなる影響を彼らに与えたのか?貴族の庇護、ゴンドラの死のイメージ、陽気な祭の即興、迷路を思わせる運河と路地…。モーツァルト、ゲーテ、ワーグナー、そしてヴェネーツィア出身のヴィヴァルディら八人の人生と芸術を辿りつつ、この街の魅力を描く。
目次
第1章 仮面をつけたモーツァルト
第2章 奔放に、愛に生きたゲーテ
第3章 安息の地を求めたワーグナー
第4章 死に囚われたチャイコフスキー
第5章 イタリアに恋したスタンダール
第6章 光に包まれたティツィアーノ
第7章 スキアヴォーニの四季とヴィヴァルディ
第8章 街が舞台のゴルドーニ
著者等紹介
山下史路[ヤマシタフミジ]
エッセイスト。浜松生まれ。1972年よりヤマハ音楽講師。90年よりフィレンツェに暮らし執筆活動に入る。イタリア各地を訪ね、各界のトップや貴族、庶民に取材。現在も日伊を往復している
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
中島直人
2
(図書館)再読2024/09/19
中島直人
2
(図書館)読了2023/12/29
Naota_t
2
★3.3/音楽家の知らなかったエピソードや性格を知ることができて面白かった。「芸術家」とあるが、全員が音楽家(モーツァルト、ゲーテ、ワーグナーなど)。ワーグナーは既婚女性に子供を産ませても平然としており、ピアニッシモ、フォルテッシモの多用など、誇大妄想狂的な性格が作曲に表出していたのは興味深い。チャイコフスキーの音楽は同性愛の悩みにより陰鬱な色合いに覆われるなど、聞く人が聞けば曲から作曲家の性格もわかるようだ。また、イタリア人は今という瞬間を非常に大切にする人種という考察もなんだかわかる気がした。2022/09/14
takakomama
0
モーツァルト、ゲーテ、ワーグナー、チャイコフスキー、スタンダール、ティツィアーノ、ヴィヴァルディ、ゴルドーニ。ヴェネツィアで育ったり、旅行で訪れた芸術家が、インスピレーションを得て作品を残しています。著者が感じたイタリア人気質は、ヴェネツィアやイタリアに長く住んでわかることですね。2016/09/24
naoto
0
音楽家や画家、作家、最後の人は舞台の人かな?とベネチアのお話。女性は…というと性差別になるのかな、芸術好きな人って恋愛話好きだね。前半の方は恋愛話が多くてちょっと不満だったけど、後半はよかったかな。ま、恋愛が芸術を高めるってのは、理屈としてはわかるんだけどね…2015/08/11