内容説明
不況が長引き、成果主義や能力主義がしきりに議論される昨今、従業員の処遇をめぐって日本の企業は大きく変わりつつある。自分たちの会社は何をやるのだろうか。終身雇用制は本当になくなるのか。サラリーマン諸氏のそうした不安に答えるために、本書では電機業界のケースを中心に据え、精力的な取材を踏まえて各社の改革の現状と今後の動向を具体的に描き、変貌する日本的経営のゆくえとそのありかたを示す。あなたもあなたの会社も元気が出る本。
目次
悲観論の向こうへ
変貌のスタートライン
何から壊れ始めたか
社員格付け革命の功罪
目標管理はなぜ嫌われる
就社から就職へ
研修でトップは作れない
人材公募は社内から
親分子分関係の終焉
早期退職制度はアメかムチか
終身雇用制は消えるのか
身内経営からの脱却
日本的経営は進化する
著者等紹介
江波戸哲夫[エバトテツオ]
1946年東京生まれ。東京大学経済学部卒業後、銀行、出版社勤務を経て作家となり、フィクション、ノンフィクションの両分野で幅広く活躍している
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感想・レビュー
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コホーー
2
企業にとって最も大切なものはモチベーション。これは会社の全てを左右する。社員は自分の会社を大切に思い、会社に帰属感を感じられるようでなくてはならない。日本の電機メーカーがこぞって成果主義を取り入れるのは、IT業界が大きな変革期を迎えて、継承した事業遺産の部分が心細くなったから。それに代わる新製品・事業の開拓は年功序列・終身雇用の組織ではできない。年功序列・終身雇用制を弱めて帰属意識は減退させながらも、仕事へのエネルギーは引き出す。こんな魔法のように難しい経営をこれからの日本企業はしていかなければならない。2018/05/05