出版社内容情報
生命倫理的にクローン羊より遙かにスキャンダラスな「万能細胞」の正体は? マスコミが報じないその可能性と問題点を解きあかす
内容説明
医薬品、移植用臓器、果ては「オーダーメイド人間」にまで道を開こうとしているES細胞。爆走を続けるバイテク研究者や産業が、この“万能細胞”に目を向けないわけがない。現にクリントン政権は研究開発にゴーサインを出した。目下進行中のヒトゲノム計画とも無縁ではない。「クローン羊」のような人口に膾炙しやすいネーミングを持たないというだけの理由で、マスコミにも無視されてきたES細胞。その可能性と問題点を、あるがままに紹介する。
目次
第1章 ES細胞の前史―ひっぱりだこの胎児細胞
第2章 ES細胞の発見―あらゆる器官をつくる始原細胞
第3章 ES細胞の利用―トランスジェニック・マウス
第4章 ヒトES細胞の発見―競争・規制・促進
第5章 事業化への発想―クローン動物とES細胞技術
第6章 人工臓器―器官のオーダーメイド承ります
第7章 ヒトゲノム計画の展開とES細胞―悪夢か福音か
終章 危機感と倫理観と―あとがきにかえて
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
佐島楓
24
平成12年初版。冒頭からショッキングな展開に驚かされる。ES細胞の段階の知識は整理できた。病気に苦しむ方々への治療という方向性に異論はないけれど、不老長寿やクローンは行き過ぎだろう。人間の欲望には限りがない・・・。2014/08/07
紡ぎ猫
1
半分以上読んでから、もう10年も前に書かれた本だと気付いた。古本で購入したのでそれまで分からなかった。どうりで、クリントン政権の話しか出てこないわけだ。でも、面白かったので最後まで読んだ。今はもっとずっと技術が進んでいることと思う。2010/11/02
レコバ
0
先天性心臓疾患を持って産まれた赤ちゃんにヒヒの心臓を移植したのが1984年。知らなかったー2013/10/26
1e
0
高校生の時に読んだ。今はこの内容よりとんでもなく技術が発展してるんだろうけど、分子生物学に興味を持たせてくれた大事な1冊だからずっと手元に置いときたい。2010/08/13