出版社内容情報
シリーズ第十弾。最新長編。
今、明かされる「ガリレオの真実」。
房総沖で男性の銃殺遺体が見つかった。
失踪した恋人の行方をたどると、関係者として天才物理学者の名が浮上した。
警視庁の刑事・草薙は、横須賀の両親のもとで過ごす湯川学を訪ねる。
「愛する人を守ることは罪なのか」
ガリレオシリーズ最大の秘密が明かされる。
内容説明
シリーズ第10弾。今、明かされる「ガリレオの真実」。殺人事件の関係者として、ガリレオの名が浮上。草薙は両親のもとに滞在する湯川学を訪ねる。シリーズ最大の秘密が明かされる衝撃作。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
656
ガリレオシリーズの1冊というより、湯川学が探偵役を務めながら彼の人生が絡む人情ミステリと読むべきか。犯行スタイルに特段のトリックやひねりはなく、湯川が科学により事件を解決することもない。殺人動機も『容疑者Ⅹの献身』に似ていて途中で先が読めてしまうし、最後に判明する意外な事実もとってつけたようで偶然が過ぎる。近作の『希望の糸』や『白鳥とコウモリ』などの系譜に属しており、本格物を期待していた読者には肩透かしだ。しかし重箱の隅をつつかず純粋にエンタメとして見れば、東野さんらしい軽快で楽しめる読み物になっている。2021/10/28
Yunemo
599
ガリレオ湯川学の出生が示されて。本作で何故、という想いも残ったままに。そういえば加賀恭一郎の出生についても明かされましたよね。その後の展開はどうなったのかな。ガリレオも同様となってしまうんじゃ、との懸念も出て。作中のボウムの謎解き、成程さすがガリレオ、でもね物理学者としての展開が無く、人情豊かな人物になってしまったなとの想いも強く。実母への想いを描くとこうなるのですね。透明な螺旋というタイトル、読み終えてみて胸に刻み込まれました。登場人物達の繋がりが、また心情を慮った締めに、このタイトルの意味を理解して。2021/11/21
ノンケ女医長
598
天才物理学者、湯川学が登場するガリレオシリーズ第10弾。帯に「シリーズ最大の秘密が明かされる」とあるが、本当にその通りだった。過去作品からずっと読み続けてきて良かった。1998年発刊から、揺るがない湯川学の聡明さ、そして孤高さに「なるほど、そうだったんだ」と納得させてくれるエピソードが満載。タイトルの「螺旋」は、DNAを意味しているのかなと思う。ガリレオシリーズにとうとう、命を次世代に繋ぐことの意味が大きく表現されたと感じた。松永奈江の生き方には、いろいろな意見がありそう。「透明な螺旋」とは、なるほど。2021/09/19
茜
580
発売日に購入したのだけど図書館で借りた本の期日があったので約2週間寝かせました気持ちはすぐにでも読んでしまいたいと思っていたのですが。ガリレオシリーズ最大の秘密ってなんだー!?と思い表紙の赤い薔薇に、もしやあの人が。。。?と思ったけれど違った。トリックらしいトリックはなかったけれど色々と驚かされました。「その行為は誰も幸せにしない。君は口を閉ざしているべきだ。」このセリフには胸を打たれました。湯川学だからこそ言える言葉だと思いました。 2021/09/18
たか
577
「ガリレオシリーズ」第10作。 南房総沖で漂流している他殺体が発見され、警視庁捜査一課に協力要請があり草薙と内海は殺人事件の捜査に乗り出す。 捜査の過程で湯川学の名前が出てきた事で草薙は湯川先生に捜査協力を依頼する。 今作は天才物理学者ガリレオ先生の科学的な見地は身を潜め、家族の繋がりをテーマに湯川先生のルーツ、家族愛が描かれている。 単調に進む前半部から怒涛の後半部へ、殺人事件の真実と湯川先生の驚愕の真実、愛と哀しみが明かされる。 科学的トリックのない「ガリレオシリーズ」ミステリー。 ★★★★★ 5.02021/11/10