出版社内容情報
江戸末期の京都。僧になるため上京した青年、烏(からす)は、ある女に出会い仏の道を捨て、観音像を彫り始める…著者初の時代小説。うちの背中の観音様より、色っぽい仏さん、彫ってみ。
目をそらしたらあかん……官能と芸道の間で揺れ動く男と女の業(ごう)
江戸末期の京都。北近江の十一面観音に魅せられた青年、烏(からす)は、
僧になるため京の都にやってきたが、観音像を彫るために仏の道を捨てる。
食うために彼が生業にしたのは、生身の女のあられもない姿を掘り出すことだった……。
団鬼六賞受賞の、注目の女性作家、初の官能時代小説。
花房 観音[ハナブサ カンノン]
内容説明
江戸末期の京都。北近江の十一面観音に魅せられた青年、烏は、僧になるため京の都にやってきたが、観音像を彫るために仏の道を捨てる。食うために彼が始めたのは、生身の女のあられもない姿を彫り出すことだった…。
著者等紹介
花房観音[ハナブサカンノン]
1971年、兵庫県生まれ。京都女子大学文学部中退後、映画会社、旅行会社など様々な職を経て、2010年「花祀り」で第1回団鬼六賞大賞を受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
starbro
149
花房観音は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。十一面観音に魅せられて、女体・女陰を観察し、欲情しながら彫り続ける性愛観音人形師の物語、花房観音ワールド全開です。現代だと愛人形(ラヴ・ドール)職人といったところでしょうか?【読メエロ部】2017/07/12
じいじ
113
花房観音おなじみの京都が舞台ですが、今作は時代モノ。主人公は、艶かしい女の裸を描いてから、木で彫り上げる仏師・烏。この烏「女に惹かれすぎて、女を抱けぬ」と自戒、27歳にして女の味を知らない童貞です。しかし、彫った木の人形は艶かしい色香が漂って客の評価は高い。この小説、性愛場面はないが、女の描写は生臭く淫猥である。それなのに読んでいて不快な気持ちにさせないのは著者の筆力の巧みさなのだろう。女の情念、羞恥、欲情、そして意中の男を失いたくないという女の執念を、たっぷりと味わせていただきました。【図書館本】2017/08/18
Kei
42
他の読メさんも書いておられますが、やはり、著者は、京都、お坊さん、職人を越えたある種、芸術に、官能が絡むのが一番よいです。水上勉さんの著作の香りがします。また、言葉が自然で、荒い言葉さえも心地よいかな。あんなに最強かと思われた彫り師の幻の男が現れても、結局は、の、女最強は、今回も同じですね。2017/08/18
幹事検定1級
36
久しぶりに読んだ花房さんの官能小説。江戸時代の京都を舞台にした官能仏師?と言えばいいんでしょうか、そんな物語。 リアルな描写で圧倒されます。 でも官能だけでなくストーリーがしっかりしているため、いわゆる一般的な官能とは異なります。 花房さんの得意である、京都、お坊さん、官能といった3つを絡めた作品を是非今後も書き続けていただきですね。(図書館本) 2017/08/08
うどん
32
表紙が強烈で、家の中でしか読めませんでした。2017/07/05
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