武満徹・音楽創造への旅

電子版価格 ¥4,074
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武満徹・音楽創造への旅

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  • サイズ B6判/ページ数 781p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163904092
  • NDC分類 762.1
  • Cコード C0095

出版社内容情報

「ぼくはあの人にだったら、全部しゃべってしまおうと思っているんです」。立花隆による伝説の超ロングインタビューがついに書籍化!

現代音楽の巨星・武満徹の幻の肉声が甦る!

「ぼくはあの人にだったら、全部しゃべってしまおうと思っているんです」。
立花隆による伝説の超ロングインタビューがついに書籍化。

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1食糧基地で聞いたシャンソン
2敗戦とヤミ屋と貸しピアノ
3下駄をはいた不肖の弟子
4早坂文雄の棺
5映画音楽のこと
6「武満作品は音楽以前である」
7瀧口修造と「実験工房」
8ビリー・ザ・キッドをかけながら
9浅香夫人との結婚
10結核と貧困の時代
11秘められた激情
12黛敏郎からピアノを贈られる
13「音の河」
14ミュージック・コンクレートの夢
15十八メートルの方眼紙
16録音技術者の挑戦
17死と向き合う日々-「レクイエムの発端」
18幻の創作ノート
19「ソン・カリグラフィ」と村上華岳
20前衛音楽の共犯者たち
21ヨーロッパ的、日本的
22演奏家たちの抵抗
23西洋近代の鏡
24ジャズの影響と「リディア概念」
25武満と安保闘争
26革命のための音楽は可能か
27ジョン・ケージ・ショック
28偶然性の音楽から不確定性の音楽へ
29芸術と美を求めて
30六十年代の草月アートセンター
31矛盾と葛藤
32尺八奏者・横山勝也と琵琶奏者・鶴田錦史
33海童道祖と「すき焼きの音」
34鶴田錦史とは何者か
35「一音成仏」と「さわり」
36調性の彼方へ
37天才指揮者、小澤征爾
38「ノヴェンバー・ステップス」初日
39世界音楽を発見する
40宇宙的卵
41「ノヴェンバー」以降の実験

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42突然の訃報に接し
43「時間の園丁」
44夢と作曲の関係
45ブラームスを再評価する
46F#の神秘
47追悼演奏会と「秋」
48国立劇場からの委嘱作品
49宮内庁楽部の高い評価
50雅楽の影響
51「夢」と「数」、そして「水」
52ぼくの音楽の作り方
53私家版小説「骨月」
54軽井沢と五線紙
55名門オーケストラの反応
56音に個性を取り戻せるか
57パーカッションのための作品
58ヒューエル・タークイという存在
59静かに、同時に恍惚に
60クセナキスと、バリ島で
61オーストラリアへの旅
62巨匠メシアン
63日本的引き算のアプローチ
64ジャスパー・ジョーンズのこと
65いい演奏、悪い演奏
66Family Tree

内容説明

恋愛、青春、人生から創作の秘密まで、日本音楽界の巨星に「知の巨人」が迫る、前代未聞の傑作ノンフィクション!

目次

1(食糧基地で聞いたシャンソン;敗戦とヤミ屋と貸しピアノ;下駄をはいた不肖の弟子;早坂文雄の棺;映画音楽のこと ほか)
2(突然の訃報に接し;「時間の園丁」;夢と作曲の関係;ブラームスを再評価する ほか)

著者等紹介

立花隆[タチバナタカシ]
1940年長崎県生まれ。64年東京大学仏文科卒業。同年、文藝春秋入社。66年退社し、67年に東大哲学科に学士入学。在学中から評論活動に入る。74年の「田中角栄研究―その金脈と人脈」で金脈追及の先鞭をつけ、社会に大きな衝撃を与えた。その徹底した取材と卓抜した分析力による文筆活動で菊池寛賞、司馬遼太郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

どんぐり

72
武満徹の音楽で知っているのは、琵琶を用いた音色が不穏な空気と緊張感をもたらす『切腹』の映画くらいである。そんな知識しかないまま400頁まで読み進め、さて、残り400頁をこのまま読み進めるべきかどうか迷い、結局パラパラと拾い読みをして、本を置くことにした。最初は人物本位の興味から読んでいたが、途中から音楽創造の深みにはまって読む気力を失った。約800頁、それも2段組みの文字がびっしり詰まっている。立花隆が武満にロングイタンタビューし、いろいろな資料を駆使して音楽創造に迫っているが、武満音楽に深い関心をもつ者2016/08/09

№9

31
武満の下積み時代?の話がまさに抱腹絶倒。戦後の混乱の残る時代の中、金もコネも楽器すら持たず、結核という当時まだ完治の難しい病を抱えながら、わずか5、6年の歳月の中で幸運としか言いようのない知己に助けられながら、恐ろしいまでの才能を開花させる。「創造の旅路」は辿れても、なぜそんなことが出来たのかの謎はさすがに解明されてはいないけど、まあそんなことは武満自身わからないかもしれないし、月並みだが「天才」とはそういうものなのか。立花の聞きぶりがいい。居ても立っても居られずCDを購入、何十年ぶりかで武満作品を堪能。2017/08/29

松本直哉

22
稀代のインタヴュアー立花隆を得て創作の秘密や交友関係を率直に明かす武満の語り口に引き込まれる。楽譜にほとんど指定を書かず楽器すら指定しないバッハを、細かく指定せずにいられない自らと引き比べて、多様な解釈の演奏にも関わらずゆるぎないバッハの音楽への自信に対する嫉妬を隠さない。バッハと異なり同時代人と共有するエクリチュールなしに孤独に自らの音を耕した武満は、しかしつねに特定の「だれか」のために音楽を書いた。個人的でありながら他者とのかかわりのなかで生まれる音楽であるゆえに、多くの演奏家から愛されたのだろう。 2016/12/21

パブロ

19
立花隆が書いた武満徹の評伝なんて、面白くないはずがない! 確かにとっても面白いんだよ、後半までは…。立花隆が本人やさまざまな関係者からインタビューを重ね、いかにして武満徹は稀代の作曲家になったのかを掘り下げていく、評伝の醍醐味を思う存分堪能させてくれるこの本。でも、武満徹が死ぬことによって、後半から急激に失速する。この本からは、本人からとことんまで話を聞いた上でしか書けない立花隆の限界が見い出せるのかもしれない。立花隆としては不本意だったんだろうな〜。だから20年お蔵入り。でも、面白いですよ、後半までは。2016/10/27

Bartleby

9
立花隆による武満徹への膨大なインタビューをまとめた1冊。武満の音楽のファンとしてはかなり贅沢な本だった。武満は作曲もピアノも独学だと聞いていたがその詳細も分かった。技術がないかわりに彼にはよい耳と直感、意志、そしてこれこそギフト言うべきだろうが彼を音楽へと駆り立てた戦中のきっかけがあった。私の印象では妖精のような人。作曲はささくれた気分ではできないというくだりが頭から離れない。ほんとにそうだと激しく共感。楽器の練習でも不機嫌な時はしないほうがまし。2022/11/23

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