藤沢周平短篇傑作選 〈巻3〉 冬の潮

藤沢周平短篇傑作選 〈巻3〉 冬の潮

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  • サイズ B6判/ページ数 297p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784163628301
  • NDC分類 913.6

出版社内容情報

第二巻に並び、この著者ならではの市井小説集。語りすぎず、かつ黙さず、いわゆる"藤沢調"として称賛される、独自の小説世界!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ふじさん

95
「時雨のあと」は、安蔵とみゆきの兄妹愛が泣かせる。「しぶとい連中」は、何度読んでユーモラスで笑いたくなる。「秘密」は、最後の明かされる真相がなかなか読ませる。「意気地なし」は、おてつの心の揺らぎが読みどころ。「暁のひかり」は、何度読んでも市蔵とおことの心の繋がりはいい。「石を抱く」「閉ざされた口」「荒れ野」は、サスペンスの要素もあり、面白かった。「春の雪」のおまさと茂太、作次郎の恋に絡んだ人間模様が面白い。「遠い少女」は、良くある題材で男の馬鹿さかげんが笑わせる。どの作品も変化に富んでいてやはり面白い。2024/10/28

Tanaka9999

12
1981年第一刷、文藝春秋の単行本。12編。市中物の12編。どれも暗い話。もっとも短編傑作選に収録されている作品はすべてが暗いような気がするが。『荒れ野』陸奥国境に舞台を取っているが、さすがに1日言っても荒れ野ということはないのではないか。それはとにかく荒れ野に生きる女性の正体は何だったのか、本人が言っていたとおり猟師の夫の帰りを待つ妻なのだろうか。2024/09/05

山内正

4
賭場を出て朝早く大川の向こうに朝日が指して朱に染まってる  まだ掛行灯を灯した自身番が  はじめ落し物を探してるのかと  娘は竹の棒を突きゆっくりと右足を踏み出した 又竹を前に  あっ危ねぇ、走り寄り怪我はと  駄目今稽古してるんだから  もうちょっとと歩いて笑った  あたい歩けなくてずーっと寝てたの家はあそこと指を指す  ほら昨日より上手く歩けたでしょ 馬鹿だねぇあんたもあんな小娘に なに言ってんだいとおつなが笑った  自分が堅気になろうとしている  おことは死んじまったよ二月前に 足も丈夫になったのに2022/08/17

山内正

4
ちょっと気になるんですよお爺さん半刻もああやって何時もと違うんです 蓋をしてた記憶が突然に取れて 二十一の由蔵が 外周りの途中誘われた博奕で負け 金を明日持ってこい店に行ってもと 知れたら終いだ 心の臟が高鳴り小さな金箱から 震える手で掴んだ時に 誰かに見つかったのだ 誰にも言いません早く忘れて下さいと その後店で揉め事があった筈だが 不意に顔を上げ口を開き笑った 思い出したのねお爺さん 見逃したのは女房だ女中や内儀では無く 夫婦になった後で 女房がいった言葉だったと さっ家に戻りましょと立ち上がる2022/01/05

山内正

4
いちいち相手になってたらこっちが持ちゃしない 二度目の中風で動けずにいる父 これからが母を悩ませるだろう 嫁に貰いたいって話あったんだが 五つ上の女遊びする人は嫌だよ きちんとした家から話が来ない人 幼馴染みの作次郎ならと気がする 店で茂ちゃん又しくじったんだ 作次郎に問い詰められている 八年もいるのに間違いをする 小さい頃と同じた茂が口を出した そんな事させねえと男に突っ込んだ 逃げるんだみさちゃ 縁談の男が言い寄ってきた 若旦那辞めてくれ 茂が血を流し倒れてる 気づかない振りなんか茂ちゃん 一度だけね2022/01/03

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