四人はなぜ死んだのか―インターネットで追跡する「毒入りカレー事件」

三好 万季【著】

文藝春秋（1999/07発売）

• サイズ B6判／ページ数 214p／高さ 18cm
• 商品コード 9784163554303
• NDC分類 916
• Cコード C0095

出版社内容情報

日本中を震撼させた和歌山毒入りカレー事件。四人の犠牲者はなぜ死んだのか。医療過誤の可能性を鋭くついた文藝春秋読者賞受賞作

内容説明

中３の夏休みの宿題で史上最年少受賞！１５歳の少女がインターネットを駆使して見つけたあの和歌山毒入りカレー事件の「盲点」とは？選考委員こぞって激賞、皇后美智子さまと同時授賞。第６０回文芸春秋読者賞。

目次

第１章　毒入りカレー事件、犯人は他にもいる―大報道が見逃した盲点・文芸春秋読者賞受賞作
第２章　現地取材、被害者にインタビューした―明らかになった医療過誤の実態と寄せられた反響から
第３章　それは小さな疑問から始まった―夏休みの理科の宿題が文芸春秋読者賞を受賞するまで
付録　平成九年度夏休み国語科自由研究レポート・シめショめ問題にハマる―ハジメマシテ、は「始めまして」？「初めまして」？

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

[ぽけっとももんが]

15歳か。確かに人間としての基本的なものはその頃には完成しているのかもしれない。だから理論的な思考をする人が中学生の頃同じような回路を持っていたとしても驚くには値しないってことか。父親の関与もうわさされたようだけれども、付け焼き刃で取材を乗り切れるとは思わない。たいしたもんだなぁ。毒入りカレー事件の死者は医療事故であるという告発。今ならばスマホでもっと簡単に中毒症状を調べられただろう。町内の祭りで嘔吐といえば食中毒を連想するのもわかる。でも、失われた命はあまりに重い。

2020/10/16

[e r i .]

二章までは真剣に読めたけれどそれ以降はあんまり。ちょっとくどい気もした。もしかしたら助かったかもしれない命の事を思うと切ない。

2014/07/14

[Himiko]

これは、たまたま学校の図書館で手に取って読み出したら、もうとまらない。衝撃的一冊。中学三年生が、インターネットで集めた情報を元に、全く無垢な切り込み方、発想で、大人の偏った考えや曖昧さを的確に暴いている。とても中学生の作品と思えない文章で、読んでいて気持ちがいい。三好さんは、今どんな職業について、どんなふうに頑張っているのだろうか。

2023/09/25

[Ayanosuke]

読んだ後に、ネットで父親が書いた詐欺だとか批判されているのを見ましたが、そういう僻みはちょっとナンセンスだろ～と思いました。事実は読者には知るよしもないので真偽は置いといて、普通なら普通なら流れてくるニュースや新聞を読んで、それだけで終わるところを、ここまで突き詰めて問題提起し、更に情報をとことん集めた行動力が凄いと思います。話題性がもし作られたものだったにせよ、社会に様々な問題を投げかけた功績は大きいと思いました。

2011/08/01

[ひで]

夏休み読了第2弾。和歌山の毒入りカレー事件を夏休みの宿題にした、当時の中学3年生が描いた本です。中3とは思えない分析と文章力でした。

2019/08/12