新☆ハヤカワ・SF・シリーズ<br> 声の物語

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新☆ハヤカワ・SF・シリーズ
声の物語

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  • サイズ B40判/ページ数 368p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784153350441
  • NDC分類 933
  • Cコード C0297

出版社内容情報

近未来アメリカ、すべての女性は一日100語以上喋ることを禁じられた。その中で怒りを抱えながら夫と子供たちと暮らす認知言語学者のジーンの生活に、ある日転機が訪れる。声を、愛を、創造を奪われた女たちを描く、いまこの時代に読むべきディストピア物語。

内容説明

アメリカのあらゆる女性から、言葉が奪われた―。大統領の強制的な政策のもと、すべての女性の手首に、一日100語以上を喋ると強い電流が流れるワードカウンターがつけられた。女性たちは日常生活を制限され、出国することも禁じられた。認知言語学者だったジーンは、夫、息子たち、幼い娘とともに暮らしていたが、ある日彼女の前に大統領の側近たちが現れる。かつて失語症の研究をしていた彼女に、事故で脳に損傷を負った大統領の兄を治療する研究を、ある条件と引き換えに依頼したいというのだが…。“21世紀版『侍女の物語』”と激賞を浴びた、いま、この時代に読むべきディストピアSF。

著者等紹介

ダルチャー,クリスティーナ[ダルチャー,クリスティーナ] [Dalcher,Christina]
アメリカ生まれ。ジョージタウン大学で理論言語学の博士号を取得。2018年に刊行されたデビュー長篇である『声の物語』で高い評価を受けた。現在、アメリカ、イギリス、アラブ首長国連邦の大学で音声学を教えている。バージニア州ノーフォーク在住

市田泉[イチダイズミ]
1966年生、お茶の水女子大学教育学部卒。英米文学翻訳家。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Willie the Wildcat

74
表層的な声の有無を、「(感情の)吐露vs.滞留」の物理状態、そして深層的な記憶の有無を、「(心の)葛藤vs.従順」の心理状態で考えてみる。ジーン/スティーブン/ソニア、3”世代”の差異は、自己・自我の確立レベル。怖いのがソニアに垣間見る、心に宿る痛みに気付かない無条件”反射”の醸成。『パブロフの犬』也。培った哲学・信念は、そんな醸成では翻らないのがヒトの持つ本能。残念ながら、歴史が繰り返されるのもヒトの持つ本能。本著を空想の世界だと、サラリと流せない目の前の悲しき現実。心底の叫びに応えること!ですね。 2019/12/09

keroppi

61
すべての女性が1日に100語しか話せないという設定と「声の物語」というタイトルに惹かれて読んだが、1日100語という設定があまり生きていないし、何でそんなことになったのかもよく分からない。単に大統領の所為なのか。まー、今のアメリカでは、そんなこともあり得るのかな。もう少し、声や言葉というものの深さを期待していたのだが、そんな声は、聞こえてこなかった。2019/06/15

あさうみ

49
まさしく恐ろしいディストピア。この世界を打ち砕こうとする彼女に感情移入してしまう。SFだけの話にして欲しい、ぞっとする展開でぐいぐい読ませる。IFの逸話として魅力がつまっていたが、夫が…不憫ではないか…違うラストだったら申し分ないのに!とワガママです。2019/06/09

tom

27
女と名が付いたら大人であれ赤ん坊であれ、喋ることを許さないという制度がアメリカで成立した。女は男に従うもの、喋ると生意気になる、よって声を奪うというもの。そんな世界の中で人々がどんなふうに暮らしたかを語ろうとする物語。宗教国家アメリカなら、こんなことも起きるかもと思わせるところはあるものの、精密度が不足していてリアリティは?という感じ。かなりご都合主義的な物語の展開が残念。グウィンのSFを思い出して、グウィンは偉かったと思ったのでした。2022/11/19

コニコ@共楽

27
「ファンタジーランド(上): 狂気と幻想のアメリカ500年史」という本を読んでからこの本を読むと、アメリカでいつこのような狂信的なムーブメントが起こってもおかしくないと思えてくる。この物語は“ピュア”な生き方を求める少数の人々が社会を支配するディストピア物語。女性に「声を持たせない」から、生まれつき女性が「声を持たない」状況にするシステムは狡猾だ。前半の力強い説得力に比べて、後半は失速するが、設定は非常にリアルなものだった。2020/05/12

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