内容説明
満州の娘と日本人士官の叶わぬ恋を詩情豊かに描く高校生が選ぶゴンクール賞受賞作。1937年、満州。寒さ厳しき広場で男たちが碁に興じるなか、一人だけ若い娘がいる。学校や両親、息のつまるような日常から逃れられるのは、碁を打っている時だけだ。ある日、抗日連軍の暴動に巻きこまれた娘は、青年二人に助けられ、次第に親密に関係を結んでいく。この乗にやってきたある日本人士官は、昼は抗日分子の追跡、夜は女遊びの毎日を送る。男は関東大震災以来、「死」に魅入られている。抗日分子が紛れこんでいると思われる広場へ、地元の人間になりすまして乗りこみ、若い娘と碁を打つようになった。連日、二人は広場で対局を続けながら相手の心の揺れを感じ取るうちに、互いの名前も素性も知らぬまま、惹かれあうようになっていく。だが、日本軍と抗日軍の対立は激化し、運命は思わぬ方向へ…。気鋭の在仏中国人作家が端正な文体で描く、世界21カ国で翻訳された愛と戦争の物語。
著者等紹介
シャンサ[シャンサ]
1972年、北京生まれ。8歳で初めて書いた詩が中国の新聞に掲載され、11歳で処女詩集を出版し、12歳で詩の全中国大会で一位を受賞、15歳で子どものための詩の協会のメンバーとなっている。天安門事件後の1990年、17歳で渡仏。画家バルテュスのもとで2年間働き、親交を結ぶ。Porte de la Paix c´elesteで1997年のゴンクール賞最優秀新人賞を受賞、つづくLes Quatre Vies du sauleでカゼス=リップ賞受賞、2001年に発表した『碁を打つ女』は仏語で書いた作品としては3作目にあたり、“高校生が選ぶゴンクール賞”を受賞した
平岡敦[ヒラオカアツシ]
早稲田大学文学部卒、中央大学大学院修了、フランス文学翻訳家、中央大学講師
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感想・レビュー
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らむれ
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マムみかん(*ほぼ一言感想*)
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