内容説明
“ビッグ・ブラザー”率いる党が支配する全体主義的近未来。ウィンストン・スミスは真理省記録局に勤務する党員で、歴史の改竄が仕事だった。彼は、完璧な屈従を強いる体制に以前より不満を抱いていた。ある時、奔放な美女ジュリアと恋に落ちたことを契機に、彼は伝説的な裏切り者が組織したと噂される反政府地下活動に惹かれるようになるが…。二十世紀世界文学の最高傑作が新訳版で登場。
著者等紹介
オーウェル,ジョージ[オーウェル,ジョージ][Orwell,George]
1903年、英国領インドのベンガルに生まれる。文学のみならず、二十世紀の思想、政治に多大なる影響を与えた小説家。名門パブリック・スクールであるイートン校で学び、その後、数年間ビルマの警察に勤務。やがて職を辞し帰国すると、数年間の放浪を経て、作家となった。主な著作に長篇小説『動物農場』などがある。1950年没
高橋和久[タカハシカズヒサ]
東京大学文学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ヴェネツィア
1271
凄まじいばかりの迫力だった。読み終わった今も興奮が覚めやらない。再読にもかかわらずだ。この小説が書かれたのは1949年。つまり1984年は35年後の世界。そして、今はその1984年から31年後。これはけっしてオーウェルの予言ではない。あくまでも小説として仮構されたものだ。しかし、2015年の今、我々は恐怖する。この仮構世界が忍び寄っていることに。「権力の目的は権力、それ以外に何がある」―その果てに主人公のウィンストンは、そして我々は皆等しく人間としての矜持や尊厳を根底から失ってしまうのだ。戦慄の読書体験。2015/06/25
ehirano1
837
なんとか読了。寝言さえも監視されてしまう恐ろしい社会で主人公は闘い続けました。そして読む側も本書と闘いながらの読書となりました・・・・・凄く疲れました。2016/03/08
Tanaka
506
1940年代の作品なのかと思うくらい現代でも通じる作品。自分が自分で無くなるのはもちろん怖いけど、そもそも自分がどのような教育だったり考え方を教えられたりで自分を作ってきたのか考えても同じような怖さが出てくる。自由とは何か、正義とは何か、といった感じ。2018/10/06
Aya Murakami
405
確か通院途中の書店で購入。 テレスクリーンに二分間憎悪は現代のSNSの炎上事件にそっくりです。誰それが不倫して週刊誌で叩かれたというのも実は意図的なニュースであって…?そんな今の世の中はそんなものなのかもしれません。 本当に怖いのはSFガジェットではありませんでした。拷問のちに言葉による洗脳を受ける主人公スミス。言葉による洗脳方法も結構現代的でした。「黒を白と言え!」私が両親から口を酸っぱくして言われていることじゃないですか!2018/10/03
tokko
360
「いったい何が最良の社会システムなのか?」という問いが読み終わった後も頭に残った。思想の統制は、どこの社会でも多かれ少なかれ行っているだろうが、その方法が興味深かった。「ニュースピーク」で言語の数を減らし人々の思考を抑制する。そういえば最近の日本語も語彙が少なくなって、思考力が弱まった気が…。「ビッグ・ブラザー」のしわざか!?2011/01/22