内容説明
バーニーとカレンは、不妊に悩んでいることを除けばどこにでもいるごく平凡な若夫婦だった。その災厄に見舞われるまでは―。バーニーの勤め先で放射能事故が起き、二人は知らぬうちに被曝してしまったのだ!放射線障害の苦痛、周囲からの差別と孤立が夫婦を襲う。そしてお互いへの愛さえ見失う状況のなか望んでいたはずの妊娠が判明し…絶望の隘路に彷徨う二人は再生の光を見出せるのか。愛の衝撃作が待望の文庫化。
著者等紹介
キイス,ダニエル[キイス,ダニエル][Keyes,Daniel]
1927年ニューヨーク生まれ。ブルックリン・カレッジで心理学を学んだ後、雑誌編集などの仕事を経てハイスクールの英語教師となる。このころから小説を書きはじめ、1959年に発表した中篇「アルジャーノンに花束を」でヒューゴー賞を受賞。これを長篇化した作品がネビュラ賞を受賞し、世界的ベストセラーとなった。その後、オハイオ大学で英語学と創作を教えるかたわら執筆活動を続け、『五番目のサリー』『24人のビリー・ミリガン』など話題作を次々と発表した
秋津知子[アキツトモコ]
津田塾大学英文科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
くみこ
11
放射能の産業事故に遭い、その後の人生が大きく変わってしまう夫婦の物語です。あとがきに、彼等が見舞われた災難を自分の身になって考えて欲しい、とあります。また、事故だけでなく、放射性物質の廃棄・盗難の報道を遅らせ、隠蔽しようとする政府と産業界に対し、なすべき事を通告したい、とも。「アルジャーノン…」の作者は、この作品でも、葛藤し続ける人間の心理を緻密に描いています。不妊治療中の妻カレンの妊娠が判明したのは、皮肉にも事故の後でした。読者は、この夫婦が辿る運命を見届ける事になります。重い作品でした。2016/11/08
がんもどき
2
アメリカのとある夫婦の視点で、もしも目に見えない放射能塵に汚染されてしまったら?という事例を描いた話。もっと劇的な症状を示してもいいような感じだったが、アメリカ人にとっては想像上のものに近い放射能は、こんな感じなのだろうなとわかる。宗教とかの絡んでくる様子はよくわからなかった。2020/11/16
あさかわ
2
3.11後の全ての人に読んでほしい一冊。わかろうとしてもできないかもしれないけど、思うところは必ずあるはず。2015/01/08
yukka
0
生々しい話。でも最後に少しの希望。それにしても世界中にこんな放射能もれの事件があるなんて知らなかった。怖くなっちゃった。2017/08/06
niko
0
非常に大好きな作家さんですが、どうも読んでいなかった本があったようなので読んでみました。あの大震災のあとに読むと著者が伝えたかったものとは別の感覚や感情も持ってしまうのでこの作品についてだけ感想を語るのは難しいのですが、実際に被爆した主人公夫婦の身体的な被害よりも、放射能によってパニックになってしまい主人公夫婦を差別する街の人達の様子や、人々の不安を煽るマスコミの姿のほうが怖かったです。実際も多かれ少なかれこんな感じなのでしょうね。ラストはちょっと納得いかなかった、というかもう少し救いがほしかったです。2012/12/19