出版社内容情報
沖縄陥落、広島・長崎に原爆投下。日本はポツダム宣言を受諾、終戦を迎える。(全5巻)
内容説明
沖縄では非戦闘員をも巻き込む死闘が繰り広げられていたが、1945年6月に陥落。本土決戦が叫ばれる一方で、政府は終戦工作を始めていた。8月、広島と長崎に原爆が投下され、ソ連が対日参戦し、日本はポツダム宣言を受諾する。15日、反乱軍が終戦を阻止しようとするなか、天皇が朗読した「終戦の詔書」が放送される―。太平洋戦争の全貌を描く歴史ノンフィクションの完結篇。徳岡孝夫・半藤一利特別対談収録。(全5巻)
目次
29部 沖縄の鉄の暴風
30部 さまよえる日本兵
31部 一億玉砕の覚悟
32部 追いつめられた日本
33部 広島
34部 長崎
35部 耐え難きを耐え
36部 日本敗る
,37部 平和への道
エピローグ
著者等紹介
トーランド,ジョン[トーランド,ジョン] [Toland,John]
1912年、ウィスコンシン州ラクロス生まれ。ウィリアムズ・カレッジでジャーナリズムを専攻。第二次世界大戦中は陸軍航空部隊勤務(大尉)。戦後、フリーランス・ライターとなり、“ルック”、“ライフ”誌等に寄稿。日本、台湾、グアム、東南アジアの各国を訪れて約500人にインタビュー取材し、5年の歳月をかけて完成させた『大日本帝国の興亡』は、1971年度ピュリッツァー賞を受賞した。2004年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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skunk_c
61
最終巻。沖縄戦から広島・長崎と気の重くなるような記述が続く。そんな中「玉砕」ではなく生き残っても降伏せずに潜伏する兵の話など、他の通史にはあまり取り上げられない話題も。また、日本の終戦工作についても結構書かれていた。取材の成果なのだろうが、戦争末期の阿南陸相の動向はかなり詳細で、臨場感がある。出版時期もあるだろうがソ連の対応に対しては批判的な香りが漂っている。一方占領軍の司令官としてのマッカーサーに対してはかなり好意的な書き方だが、これはある意味日本の反応の影響もあるのだろう。5巻通読して良かった。2022/07/19
けやき
44
【再読】アメリカ人著者による太平洋戦争のノンフィクション。完結。沖縄陥落、広島・長崎への原爆投下、ポツダム宣言受諾、玉音放送など。太平洋戦争の流れを一通り理解できました。読んでてツラい記述もありましたが当時の日米の人々の息吹きを感じられました。2024/08/18
てんちゃん
34
勝見込みなど全くないのに国体護持にとらわれ終戦のタイミングを逸してしまう日本。何のための国家なのか、何のための戦争なのか、色々考えてしまった。1~5巻、二・二六事件からポツダム宣言の受諾まで、重厚なノンフィクションだった。日本の学校では近現代史は深く教えない。様々な解釈があり、答えは出ない学び。教えるのも難しいだろうし、テストで採点などできない。でも、この戦争から何かを学びとることが、歴史を学ぶということなんじゃないか。高校では、近現代史に重点を置き深く学んだのでもいいのではないかと、考えてしまった。2017/02/07
けやき
31
太平洋戦争のノンフィクション。完結。原爆投下の話がメインだった気がします。「嗚呼、かくて万骨が枯るるのみ」という感じ。2016/08/24
植田 和昭
13
ついに完結。広島・長崎の惨状は、筆舌に尽くしがたい。なぜここにいたるまでに降伏できなかったのだろうか。サイパン陥落で戦争に負けたのは確定したはずなのに。戦争を終わらせるのは実に難しい。しかしこの5巻を読むことで、太平洋戦争の一連の流れがよくわかった。盧溝橋事件をおこしたのが、毛沢東による陰謀なのか、日本軍の謀略なのかは永遠にわからないだろうが、日中戦争の開始が、越えてはならない一線を越えてしまったのだろう。だが植民地の開放は、この戦いがなければさらに遅れていただろう。中国の共産化もなかったかもしれない。2024/09/16