出版社内容情報
連続殺人事件の陪審員を務めたマリアは休暇を取って船の旅へ出る。ところが船上で次々と人が殺され、怪しい影がマリアに迫り……。
内容説明
連続小児殺人事件で起訴されたバトラーは陪審員の評決不一致で無罪となった。陪審員を務めたマリアは遺族やマスコミに糾弾され、身を隠すため船の旅に出る。その途上、船内で切断された頭部が発見され、その手口はバトラーの犯行に酷似していた。マリアは彼が乗船していると訴えるが取り合ってもらえず、単身、犯人を捜しはじめる。だが船内には彼女を密かに監視する人物が…。脱出不可能ノンストップ・心理サスペンス。
著者等紹介
マレイ,ジェイムズ・S.[マレイ,ジェイムズS.] [Murray,James・S]
脚本家、エグゼクティブ・プロデューサー。truTVのヒット番組Impractical Jokersの“Murr”役の俳優としても知られている。スタテン島出身で、現在は妻のメリッサと愛犬ペニーとともにニュージャージー州プリンストンに在住
ウェアマウス,ダレン[ウェアマウス,ダレン] [Wearmouth,Darren]
小説家。数々のベストセラーを生み出している。国際スリラー作家協会(ITW)のメンバーで、現在は妻のジェニファーと娘のメイプルとともにカナダ在住
北野寿美枝[キタノスミエ]
神戸市外国語大学英米学科卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タツ フカガワ
53
残忍な手口の連続小児殺人で起訴されたワイアット・バトラーが陪審員の評決不一致で無罪となる。心理学者で大学教授のマリアは、自分が無罪に投じたことを告白するが、世間の非難は激しかった。その心痛も落ち着いたころ、マリアは双子の子ども、婚約者スティーヴと12日間の豪華クルーズの旅に出る。が、この船内でバトラーと同じ手口の殺人事件が頻発する。映像化を意識したような筋立てで、それだけにテンポよくさくさくと読了。終盤の活劇が面白かった。ただこの夏、ソフトクリームは遠慮しておきます。2024/06/09
しゃお
35
無罪票を投じられ自由の身となった連続小児殺人犯が同じクルーズ船に乗っていると知ったら。そして自身とその家族に危機が迫っているとしたら。本当に無罪評決を受けた容疑者は犯人では無かったのかなど、序盤からグッと引きつける引力でもって、そして密室状態の船の中で追い詰められていく様子は緊迫感あって一気に読ませます。その一方でツッコミだしたらキリが無いぐらいツッコミポイントも。2時間サスペンス、B級サスペンスアクション映画として楽しめる一冊じゃないでしょうか(笑)。2024/06/08
まぶぜたろう
20
豪華客船を舞台にした、既視感ありありのスラッシャーなのだが、いろんな謎を紛れ込ませるので、意外と飽きない。もちろんそれらの謎は、極めてお粗末な、本を壁に投げつけレベルの解決を迎えるし、陪審員がどーのこーのというそもそもの設定も腰砕けに終わる。陰惨な殺しもただ扇情的なだけだし、はっきりいやクソ本の類いなのだが、大層な本書いてるわけじゃないんす的な開き直りが潔く、なんつっか、この手もなきゃな、という気もする。今回は光るようなとこは一切なかったが、微かな光を期待して俺はこの手のを読むぞ、みたいなね。(○○○)2024/07/10
本の蟲
13
評決不一致で無罪となった連続小児殺人事件。陪審員の身元が特定されマスコミの追求を受けるなか、マリアは自分が無罪に投票したせいであり、他の陪審員を追い回すなと記者会見を開く。世間の糾弾を一身に引き受けたマリアは一時休職、家族とともに豪華客船の旅に出るが…。陪審員制度の問題等期待して読んだが、正直その設定がなくても成立する。展開は駆け足で、殺人鬼は小物だし、色々肩透かしのB級密室サスペンス2024/07/22
練りようかん
12
もし裁判員として参加することになったらと考えずにはいられない内容。決め手にかけた連続児童殺人の無罪判決。あまりの残忍な手口はのちに嫌というほど描かれるので、世間が黙ってはいられないのもよくわかる。本当に判決に納得いってないのは誰かをフックに、無罪投票した陪審員と真犯人の別人説をグレーにしたまま大型クルーズ船というクローズド・サークルに進む。警備責任者と早くタッグを組んで!と気持ちが焦り、この伏線ならと推測が忙しい、犯人との心理戦も的を得ていてラストまでスリルが止まらなかった。続編もありそう。出たら読む。2025/03/10