内容説明
リューシー警部補が追う謎の短篇映画を葬り去るためには殺人をも辞さない何者かがいた。脳髄と眼球を抜き取る殺人鬼の秘密を探るべくエジプトに飛んだシャルコ警視も、思わぬ危地に陥った。だが二人がたどる細い糸は、やがて重なり、思いもよらぬ構図を描いてゆく。映画に隠され、歴史の闇に埋没した、恐るべき秘密。それが21世紀の世界によみがえるのか?現代フレンチ・サスペンスの鬼才が満を持して放つスリラー巨篇。
著者等紹介
ティリエ,フランク[ティリエ,フランク][Thilliez,Franck]
1973年フランス東部アヌシーの生まれ。IT業界で働くかたわら執筆を行なう。2004年にフランク・シャルコ警視を主人公にした『タルタロスの審問官』を発表して注目を集め、2005年にはリューシー・エヌベルを初登場させた『死者の部屋』でフランス国鉄ミステリ大賞(Prix du polar SNCF)を受賞した。現在は北フランスのパ=ド=カレー在住
平岡敦[ヒラオカアツシ]
1955年生、早稲田大学文学部卒。中央大学大学院修了。フランス文学翻訳家、中央大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
あぽろ
4
ドキドキ出来ました♪風呂敷からひっくり返したネタの回収のためには中盤以降の駆け足は仕方ないな〜と思ってラストへ…えっ???…ってことで、次回作を楽しみに待ちます♪2012/04/28
Schunag
4
ノワール界の病魔王が突如放ったブロックバスター型スリラー。テンポは上がり、真っ暗で息苦しかった作品世界に幾らか外光と外気が通うようになったが、でも不吉さは健在です。これを踏切板として次にどこへ跳んでいくのか。アメリカのジェイムズ・エルロイ、イギリスのデイヴィッド・ピース、日本の馳星周、そしてフランスのフランク・ティリエ。今後に期待します。2011/12/03
Coders
3
ジャケ買いをする。またもシリーズ4作中の3番目。題材は好みなのだが、会話にフランス風ウィットも無く、なんせテンポが合わずに読むのに苦労した。 またエンディングが連続ドラマのようで続きは次作を待て。的な手法で少しがっかり。2019/04/24
タナー
2
初めての作家さんでした。というか、フランス人作家の小説自体、読んだのはおそらく初めて。この読書メーターで知り、気になって読んでみたのだが、読み始めたら止まらないくらいに面白かった。物語のラスト・シーンはかなり衝撃的。これは次作も読まずにはいられない。2014/01/07
pb_lack
2
思い起こすのは”虐殺の言語”。エジプト編あたりからバックのやばさが見え隠れしてきて陰謀論ギリギリのところまでついに話が拡大。予想外に時代と国とを跨いだ結末になった。急拡大する感じはあるものの、長口上でイナフ。ラブ要素はまあうん…で、これで次回作に引きかー!やったら怖い装丁は読み終わるとなるほど感あるし余計怖い。2013/06/08