内容説明
誰もが涙した感動の名作『アルジャーノンに花束を』へ熱きオマージュを捧げた「もう一人のチャーリイ・ゴードン」をはじめ、旧家での哀愁をおびた不思議な一夜をせつせつと語る「芦屋家の崩壊」、結婚百周年の老夫婦を思いもよらない形で祝福する「百光年ハネムーン」と、いつの時代でもどんな場所においても、昔をふるかえると懐かしさに思わず心揺さぶられてしまう人のやさしさ悲しさを描くノスタルジック・ロマンス6篇。
著者等紹介
梶尾真治[カジオシンジ]
1947年熊本県生まれ。1971年、SFマガジンに「美亜へ贈る真珠」が掲載され、作家デビュー。以来一貫して書き続けている良質な短篇作品群から“短篇の名手”としての誉れが高い。またその才は、長篇にも発揮され、1991年『サラマンダー殱滅』で第12回日本SF大賞受賞、1996年には『OKAGE』、2000年には『黄泉がえり』で話題をさらう
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
丘野詩果
5
はまってる梶尾真治さん~~~。表紙の絵をみてダニエル・キイスの『アルジャーノンに花束を』を思い浮かべるよね。その通り。このハツカネズミの名前はアルジャーノン。本当はアルジャーノンは年寄りなんだけど、実験で若返っている。生きる希望を失った男がアルジャーノンと同じ実験の被験者となり、7歳の少年になる話。他に短編が5編。『地球屋17代目天翔けノア』はまさにブラッドベリの世界。梶尾さんが読んできたSF作家は私の大好きなジャンルなので、好きな傾向が全く一緒なのだ。『百光年ハネムーン』は心がほっこりするお話。2013/08/05
ソル
2
「美亜へ贈る真珠」がすごく良かったので読んでみました。ノスタルジー編ということでロマンチック度が低めなのは仕方ないですね。「美亜…」が良かったからなぁ。この中では「芦屋家の崩壊」が面白かったです。2013/07/24
レイ
2
気を紛らわせるため、崩れた本の山から適当に引っ張りだしたのがこれ。別の短篇集でも読み気に入っていた「清太郎出初式」が、やはり秀逸。こんな時に読んだら、以前と比べものにならない程胸に沁みた。2011/03/23
Hikaru
1
作者のSF好きがよく伝わってくるSF短編集だった。全体的になにかのオマージュのような雰囲気。表題作は『アルジャーノンに花束を』、清太郎出初式は『宇宙戦争』の梶尾版だった。2015/08/30
みずき
1
どれもあたたかな掌編集。梶尾さんはロマンチストだなあ。かわいらしい。2015/07/29