- ホーム
- > 和書
- > 教養
- > ノンフィクション
- > ノンフィクションその他
内容説明
性同一性障害の当事者に「早い・うまい・安い」のタイ・バンコクでの手術を斡旋、仲介する業者の面々。彼らはいったい何者なのか?なぜ、彼らは生まれたのか?性転換ビジネス陰の実力者「アテンド業」の実態に迫る迫真ルポ。
目次
序章 パッポン通りの性転師―性転師の坂田とバンコクのゴーゴーバーを訪れる
第1章 性転師の仕事―タイ・バンコクに飛び、「アテンド業」に密着する
第2章 第一世代の性転師―坂田と「同世代」のアテンド業者2社に話を聞く
第3章 第二世代の性転師―「元客」のアテンド業者4社&副業性転師を訪ねる
第4章 性転師誕生前夜―日本国内の性転換手術事情の変遷を追いかける
第5章 タイと性転師―性転換大国・タイ王国の側から考える
第6章 性転換ビジネスの未来―性別適合手術と性転師の「これから」を見つめる
終章 「外側」から見た性同一性障害の話を。―ある「ボランティア」をする彫師と話す
著者等紹介
伊藤元輝[イトウゲンキ]
1989年生まれ。早稲田大学法学部卒業。大手証券会社に入社し、厳しい営業職に音を上げて2ヶ月で退職。充電期間を経て2011年10月、記者として共同通信社に入社。高松支局、大阪社会部を経て現在は神戸支局に在籍。事件担当を中心に、ルポルタージュなど連載企画にも取り組む(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 1件/全1件
- 評価
-
乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
hatayan
38
タイで性別適合手術を希望する日本人のために現地の案内や世話を行う「アテンド業者」の実態を調べたルポ。黎明期から第二世代の事業者まで主要な7社に取材。手術を望む難民に手をさしのべた点でアテンド業者は一定の役割を果たしていると評価しつつ、事業者の熱意を頼りにした小規模な会社の形態に危うさを感じ取ります。「見た目や性別にとらわれず人として相手を見てあげられるような社会、を作ることが必要」と語る業者の指摘が根本的。 著者は共同通信社の記者で1989年生まれ。今後注目の書き手としてチェックしておきたいところです。2021/04/17
チェアー
11
これほど性別適合手術が海外で行われているとは知らなかった。というか、これほど国内でされていない(保険適用されるのに)ことに衝撃を受ける。 この希望者が海外に流れるという構造が、手術をアテンドする「性転師」という仕事を成り立たせている。 全く知らない海外で、生命の危険もある手術を受けるのはすごく不安だろう。だから、この構造が続く限り、性転師という仕事もなくならない。 アテンドをする業者を一つずつ紹介するのは、どうかなと思うが、取材したことを全部書きたくなる気持ちもわかる。 2020/08/22
Wisteria
7
ちょっとちょっと、この表紙は誤解を招くんじゃないの?怪し過ぎる(わざとかな?)。内容は大真面目なビジネスのお話。需要があって、第一人者がいて、成長した業界。こういった人達がいなければ救われない人も救われなかった人も沢山いる訳で、素直にすごいなぁって感心しました。2023/04/19
ふじこ
5
性別適合手術の技術が高く、執刀医の数も日本より多いタイ。国内から現地に希望者を案内するアテンド業にスポットを当てたノンフィクション。モデルのIVANやKABA.ちゃんもアテンド業者を通じて手術を受けている。医療従事者でもない人間が病院を紹介し、付き添い、ケアまで行う。どこかキナ臭さが漂う仕事だが読み終える頃にはイメージがガラリと変わっていた。彼らがいなければ自分の身体を変えられずに苦しむ人がたくさんいただろう。いつか消えていくアテンド業を今知ることができて良かった。2020/11/12
あさがお
3
なぜタイが性転換手術先進国で、日本は遅れているのかがよくわかった。日本で性転換手術は保険適応になったが、実態に合っておらず、適応される人がほとんどいない。戸籍上の性別を変更するには、手術が実質的に必須条件になっている。ペニスにタトゥーをする人(より実物に近づけるため)がいるとは!想像が及ばなかった。2021/03/08