内容説明
歴史小説家の調査助手をつとめるジェフは、友人の精神科医の紹介でアニーと出会った。彼女は奇妙な夢に悩まされていた。馬上の将軍や林檎園の死体…。南軍の敗色濃い南北戦争の光景が、夜ごとに夢に出てくる。まるで何者かが時を超えて過去からメッセージを送っているかのように。夢が悲劇的な様相を深めるなか、古戦場を訪れたアニーとジェフを待っていたものは…。実力派作家が歴史と虚構のせめぎあいを描く傑作長篇。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ふりや
13
共作を除くと、本作がコニー・ウィリスの第一長編とのこと。たまたま古書店で見つけて購入しました。歴史小説家の調査助手をつとめるジェフは、ある日不思議な女性アニーと出会う。彼女は南北戦争の光景が夜ごと夢に出てきて、さらには日を追うごとに夢の中の時間も経過しているという。その夢にはどんな意味があるのか。ジェフはアニーの手助けをすることになるが…後の名作『航路』に繋がるような心理サスペンスと歴史劇を組み合わせたSF。初期の作品ながら、ウィリスらしい物語の起伏や伏線回収が楽しめました。巻末のインタビューも良かった！2022/05/02
こら
6
最初はメンヘラちゃんのヒロインにやきもきしたけど、伏線が回収され、ラスト一行に収斂するカタルシス！なるほど〜、リー将軍の愛馬のお話はそういうことなのね！と。ミステリとしての快感が味わえます。2014/03/12
えっ子
5
コニーウィリスの初期作品 流れるような文章で、まあすじとしては面白かったかな、しかし彼女の文章はやはり長くていいからとにかくディテールを詳しくして欲しいわあ2018/08/04
酔花
5
南北戦争において南軍の名将として名を馳せたロバート・E・リーの夢を見るアニー。何故彼女はその夢にとりつかれているのかという大きな謎が物語を牽引していく。リーなんて世界史の授業で少し覚えがあるだけだし、ましてや彼が愛した馬の話なんてのは本書で初めて知った。アメリカの歴史を学んだ人にとってはある種の歴史ミステリーの味わいがあったのだろうけど、そういう側面を楽しむ教養がなかったのが残念。アニーの夢を見るという行為がやがてジェフのある人物への理解に繋がった結末に胸がじーんとした。絶版なのが残念。2014/11/01
豆ぐみ
4
最後はじーん。後ろの方、ちょっと「航路」を思わせるところも。歴史小説家の調査助手ジェフ（小説家にいわれてリンカーンの夢などを調べてる）が、リー将軍（名馬トラヴェラーに乗っていた）になったかのような夢を見るアニーと出会う…。南北戦争も多く語られる。翻訳だと話者の性別が明らか（女だと「～だわ」とか）だけど、元は違うんだろうね。2014/07/11
