内容説明
日本をどうする。お前はどう生きる。―最後のサムライ!山岡鉄舟、堂々の生涯。
著者等紹介
山本兼一[ヤマモトケンイチ]
1956年、京都市生まれ。同志社大学文学部美学及び芸術学専攻卒業後、出版社勤務を経てフリーランスのライターに。1998年「信長を撃つ」で作家デビュー。99年「弾正の鷹」で小説NON短編時代小説賞を受賞。2002年長編『白鷹伝』(祥伝社)を発表。2004年、『火天の城』(文藝春秋)が第11回松本清張賞を受賞。同作品は映画化される。また『利休にたずねよ』(PHP研究所)で第140回直木賞を受賞しベストセラーになる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さと
39
周りの人間が何を思おうがどう感じようが一切関与せず、ただ己の心を満たすこと一念にのみ生きる鉄舟の、人としていかに器を深く大きくしていくか…。詰まるところ『今、ここ』に生きようとする姿のように感じた。 山本兼一氏の作品の数々に散りばめられている信条のようにも感じた。このところ、私は自ら創造した偏見と歪みだらけのマトリックスの中で生きていると気づいて呆れていたところだが、鉄舟が目指す、『目の前のことにのみ全身全霊を込める』という生き方こそ今の私の目指すところ。しかし人間は何と余計なことばかり考えるのか!呆れる2024/04/20
B-Beat
39
◎江戸総攻撃の中止が決まった西郷と勝の会談。その会談を実現すべく文字通り東奔西走したのが山岡鉄太郎という人物。最近読んだ本で浪士組結成につき清河八郎とともに重要な役割を演じた人物でもあったと知る。身の丈6尺2寸(約188センチメートル)にして剣豪かつ酒豪の幕臣。読み始めて最初正直少々退屈の感なきにしもあらずだったが、清河八郎と睨みあう場面あたりから俄然面白くなった。清河八郎暗殺事件に絡み閉門謹慎。その間にも時代は旋回しこの男をまた必要とする時が来るのだろうか。そんな予感のもとあっと言う間に読み切る。2014/04/14
Y2K☮
31
山岡鉄舟。幕末維新史はそれなりに学んだつもりだけど、なぜか存在が頭から抜け落ちていた。彼の行動原理は確かに禅。一見矛盾と映る箇所もあるが、ロジックだけが真理へ辿り着くルートではない。改めて人は我欲を捨てられないと感じた(だからといって、その事実を正当化する理屈の多くは賛同し難いのだけど)。だったら最適解は否定ではなく囚われぬこと。やりたくないことを我慢してやる局面もあるにせよ、基本的にはやりたいことで世の中に貢献できる道を模索する方が建設的だ。自分自分ではなく公のためを己のやりたいことと思えるか。下巻へ。2025/04/23
Taka
31
山岡鉄舟の伝記です。幕末は好きで新撰組や薩長の話しはよく読んだので、名前は知ってましたが、、さすが幕末の三舟と名を残すだけのことある人物ですね!すごい生き様です。早速下巻に取り掛かります!2017/12/18
里季
31
勝海舟、高橋泥舟と共に幕末三舟と称せられる山岡鉄舟の物語。武道に優れているのはもちろんのこと、禅の教えをよくし、その命をすべて世にささげるような生き方に感銘を受けた。しかも、それが無理して肩肘張ったり意地になったりせずに、自然に己の魂の向くままに生きていく。うならせる一冊であった。2013/09/09