出版社内容情報
「テロリズムとグローバリズムへの対抗運動」として再帰しつつある戦後的な主題を、「未来の他者」をキーワードに再検討する。
内容説明
脱政治化が進む日本において、吉本隆明や工藤淳らによって担われた戦後は特殊日本的なものとして急速に色褪せてきている。一方で「巨人」たちの時代の終焉を見届けた柄谷行人以降、戦後の思想空間は変容しつつも漸く普遍性へ向かって解き放たれつつある。そこにはどのような継続と変化が潜んでいたのか。「戦争と革命」という二十世紀的な主題が「テロリズムとグローバリズム(への対抗運動)」として再帰しつつある今日、「未来の他者」をキーワードに戦後七十年の思潮を再検証する。
目次
序章 新・堕落論―3・11後の「人間復興」へ向けて
第1章 吉本隆明と「革命の否定神学」―八〇年代から3・11以後へ
第2章 江藤淳の歴史感覚―海舟論から南洲論へ
第3章 埴谷雄高と大西巨人―「文学と革命」プロジェクトの生成と解体
第4章 柄谷行人と可能なるコミュニズム―世界共和国への途
第5章 大澤真幸と上野千鶴子―「未来の他者」と「おひとりさま」
著者等紹介
高澤秀次[タカザワシュウジ]
1952年北海道室蘭市生まれ。早稲田大学第一文学部卒。文芸評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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